【どっちがいい？】医療脱毛の熱破壊式と蓄熱式の違いを解説

この記事では、医療脱毛の熱破壊式と蓄熱式の違いを解説します。

• 脱毛方式の種類
• 熱破壊式と蓄熱式の違い
• レーザー波長の違い

脱毛方法の種類は『光脱毛』『レーザー脱毛』『ニードル脱毛』の3種類

『光脱毛』は医師免許がなくても施術できるため、エステサロンやセルフ脱毛等で行われます。手軽ですが効果が低いのが特徴です。『レーザー脱毛』は、効果が高く副作用もあるため、適切に管理ができる病院（クリニック）でしか施術できません。現在主流の脱毛方式です。『ニードル脱毛』は、近年減少傾向ですが、FDA（アメリカ食品医薬品局）によって唯一、永久脱毛と認められた方法です。

	光脱毛・フラッシュ脱毛 （IPL/SSC/SHR）	レーザー脱毛 （医療脱毛）	ニードル脱毛 （電気脱毛）
特徴	光により毛の組織にダメージを与える	強力な光により毛の組織を破壊する	毛穴に針を刺し、電気や高周波により毛の組織を破壊する
効果	減毛	永久的な減毛・抑毛	永久脱毛
取扱場所	エステ・サロン ※無資格でも施術可能	クリニック ※資格が必要	クリニック ※資格が必要
コスト	低	光脱毛より高い	高
痛み	低	強	かなり強い

エステ脱毛よりも医療脱毛の方が脱毛効果が高い？

医療脱毛の方が脱毛効果が高い傾向があります。これは脱毛効果の高いレーザー脱毛機をクリニックが使用できるからです。エステ脱毛は光脱毛という脱毛機を使用しますが、これは医師免許は必要ありません。

もし永久脱毛したいなら、医療脱毛の方が期待できます。また、エステ脱毛は時間が経つと生えてくるので、人生トータルで見ると医療脱毛の方が安く済む人の方が多いのではないでしょうか。クリニック全てがレーザー脱毛ではなく、光脱毛を扱うクリニックもあるので、カウンセリングで聞いてみると良いです。

	光脱毛 （エステ脱毛）	レーザー脱毛 (医療脱毛)
特徴	エステや脱毛サロンで行われる 一時的な減毛効果を得られる 痛みが少ない 施術回数が多い 1回あたり施術料金が安価	医療機関で行われる 確実な脱毛効果があり半永久的 痛みが出やすい 施術回数が少ない 1回あたりの施術 料金が高価
メリット	痛みが少なく、予算を抑えて始められる	確実な脱毛効果で半永久的に脱毛できる
デメリット	脱毛効果は一時的である	痛みが出やすく費用がかかる

医療脱毛のデメリットは痛みです。痛みは、麻酔ができるクリニックも増えていますのでカウンセリング時に相談すれば問題ないです。私の経験上、笑気麻酔をして『痛くてやめます』という人に会ったことがありません。

参考：皮膚科領域での笑気麻酔の有効性と安全性（米国皮膚外科学会）

【どっちがいい？】医療脱毛の熱破壊式と蓄熱式の違いを解説

熱破壊式と蓄熱式では毛根組織の中でアプローチする部分が異なります。それぞれ得意な毛質があるため違いを理解し選択しましょう。

• 熱破壊式：毛乳頭、毛母細胞へアプローチ
• 蓄熱式：バルジ領域へアプローチ

医療脱毛で、熱破壊式と蓄熱式の違いで、どっちがよいか悩まれている方のために、特徴をご説明します。

レーザー脱毛の2つの方式(熱破壊式、蓄熱式)を覚えると良い

レーザー脱毛機には、実績のある熱破壊式と比較的新しい方式の蓄熱式の2つの方式があります。簡単に言うと、熱破壊式は痛いですが効果が高いです。蓄熱式は痛みを抑えながら施術できるメリットがありますが、効果はマイルドです。永久脱毛を検証するには10年20年の検証期間が必要なので、その点で蓄熱式はまだ実績がありません。

個人的には効果が実証されている熱破壊式の脱毛機をおすすめします。高いお金を払って脱毛しますので、効果が出やすい方式の方が良いと思うからです。産毛、細い毛には蓄熱式の方が良いなどのバランスもありますので、使い分けも大事です。

照射方法	熱破壊式	蓄熱式
特徴	太い毛や根深い毛が得意 効果実感がはやい	毛質・肌質によらず施術できる 効果実感に時間がかかる
痛み	感じる	熱破壊式よりは感じにくい
日焼け肌・色黒地肌への照射	波長によって可能	可
部位・毛質	脇・VIOなどの太い毛を得意とする	全身の毛に効果がある（うぶ毛も可能）
向いている人	すぐに毛をなくしたい人 細かくデザインしたい人 痛みに強い人	白髪や色素が薄い人 ホクロやシミが多い人 痛みに弱い人

熱破壊式と蓄熱式では特徴が異なり、毛質や肌質によって得られる効果が変わってきます。どちらのレーザー脱毛機を使用しているか事前に調べておくと安心ですね。

レーザー脱毛機にはさらに3つのモード（波長）がある

一般的に蓄熱式にはダイオードレーザー、熱破壊式には、「アレキサンドライトレーザー」、「ダイオードレーザー」、「ヤグレーザー」の3種類のレーザーがあります。

医療脱毛のレーザー脱毛機には、主に「アレキサンドライトレーザー」、「ダイオードレーザー」、「ヤグレーザー」の3種類のレーザーがあります。波長が短いほどメラニン色素に反応しやすく、波長が長いほど肌の深くに作用します。レーザーの特徴は異なりますが、いずれも脱毛効果の有効性^1)2)3)4)が確認されています。

	アレキサンドライトレーザー	ダイオードレーザー	ヤグレーザー
特徴	波長が短く肌の浅い部分まで届く メラニン色素に反応しやすい	波長が広範囲のため、幅広い毛質や肌質に照射可能 メラニン色素にやや反応する	波長が長く、根深い毛にも照射可能 メラニン色素に反応しにくい
波長	755nm	800～940nm	1064nm
脱毛方式	熱破壊式	蓄熱式／熱破壊式	熱破壊式
日焼け肌／色素沈着が強い部位／シミへの照射	不可	可能	可能（一部不可）
産毛への効果	低	高	中
剛毛・太い毛への効果	高	低	中
痛み	やや感じる	感じにくい	感じる
代表機種	ジェントルレーズ ジェントルレーズプロ	メディオスター ライトシェアデュエット クリスタスプロ	ジェントルヤグプロ

アレキサンドライトレーザーは、波長755nmと短いためメラニン色素への反応が一番強いです。脇やVIO、ひげなどの濃い色の毛や太い毛を得意とします。一方で、肌の浅い層までしかレーザーが届かないので、根深い毛には効果が弱い可能性があります。日焼け肌や色黒肌、色素沈着のある肌(メラニンが多い肌)はやけどのリスクがあるため、施術できないことがあります。ヤグレーザーよりは痛みが少なく、脱毛機によっては冷却装置つきで痛みを軽減できるものもあります。

ダイオードレーザーは、波長が810〜940nmで、メラニン色素への反応はアレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの中間です。アレキサンドライトレーザーに比べて、うぶ毛や色素の薄い毛への反応が良く、日焼け肌でも施術できます。幅広い毛質・肌質に対応したレーザーです。3つの波長の中で一番痛みを感じにくく、アレキサンドライトとダイオードを比較した試験では、ダイオードで痛みが少なかったと報告⁵⁾されています。

ヤグレーザーは、波長1064nmと一番長い波長のため、毛穴が根深い部位を得意とします。アレキサンドライトレーザーで脱毛しきれなかった根深い毛も脱毛可能です。また、メラニン色素への反応は3つのレーザーの中で一番弱いため、日焼け肌や色黒肌でも比較的安全に施術できます⁷⁾。一方で、肌の深くまでレーザーが届くことから、一番痛みが出やすいレーザーでもあります。痛みが出やすとされるYAGレーザーにおいても、麻酔（エムラクリームやリドカイン）で痛みが軽減できたという報告⁶⁾があるので、痛みの不安がある人は麻酔を併用するとよいでしょう。

1)Olsen EA. Methods of hair removal. J Am Acad Dermatol. 1999 Feb;40(2 Pt 1):143-55; quiz 156-7. doi: 10.1016/s0190-9622(99)70181-7. PMID: 10025738.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10025738/
2)Gan, Stephanie D. MD1; Graber, Emmy M. MD1. Laser Hair Removal: A Review. Dermatologic Surgery 39(6):p 823-838, June 2013. | DOI: 10.1111/dsu.12116，https://journals.lww.com/dermatologicsurgery/abstract/2013/06000/laser_hair_removal__a_review.1.aspx3)BOUZARI, NAVID MD; TABATABAI, HOSSEIN MD,†; ABBASI, ZAHRA MD†; FIROOZ, ALIREZA MD; DOWLATI, YAHYA MD, PHD. Laser Hair Removal: Comparison of Long-Pulsed Nd. Dermatologic Surgery 30(4):p 498-502, April 2004.https://journals.lww.com/dermatologicsurgery/abstract/2004/04000/laser_hair_removal__comparison_of_long_pulsed_nd_.5.aspx
4)Bhat YJ, Bashir S, Nabi N, Hassan I. Laser Treatment in Hirsutism: An Update. Dermatol Pract Concept. 2020 Apr 20;10(2):e2020048. doi: 10.5826/dpc.1002a48. PMID: 32363110; PMCID: PMC7190465.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7190465/
5)National Library of Medicine「Novel 755-nm diode laser vs. conventional 755-nm scanned alexandrite laser: Side-by-side comparison pilot study for thorax and axillary hair removal」https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25607745/
6)GUARDIANO, ROBERT A. DO; NORWOOD, Christopher W. MD. Direct Comparison of EMLA versus Lidocaine for Pain Control in Nd: YAG 1,064 nm Laser Hair Removal. Dermatologic Surgery 31(4):p 396-398, April 2005, https://journals.lww.com/dermatologicsurgery/abstract/2005/04000/direct_comparison_of_emla_versus_lidocaine_for.4.aspx
7)Battle EF Jr, Soden CE Jr. The use of lasers in darker skin types. Semin Cutan Med Surg. 2009 Jun;28(2):130-40. doi: 10.1016/j.sder.2009.04.003. PMID: 19608064.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19608064/
参考：レーザー脱毛の注意点(日本皮膚科学会総会)

医療脱毛の副作用はありますか？

医療脱毛で報告⁸⁾されている主な副作用は、以下の通りです。

• 肌の炎症（赤みや火傷）
• 毛嚢炎
• 硬毛化

肌の炎症

肌の炎症は、レーザー照射後に赤くなったりヒリヒリしたりする症状ですが、ほとんどの場合は数日内に消失します。炎症がひどい場合は、火傷のようなミミズ腫れや水ぶくれができることもあります。日焼け後の肌や極度に乾燥した肌、自己処理ダメージのある肌は炎症が起きやすので注意が必要です。

炎症がおこりやすい部位

皮膚がうすい顔やVIO、毛の密集により熱が集中しやすいワキなどは特に注意が必要です。肌の調子が悪いときは無理をせず施術のタイミングを相談しましょう。

毛嚢炎（もうのうえん）、毛包炎（もうほうえん）

毛嚢とは、毛穴の奥で毛根を包んでいる部分です。毛嚢炎は、ニキビのような赤みや腫れの症状で、毛嚢のなかに細菌が入り込むことで炎症を引き起こします。皮膚のバリア機能が低下していたり、肌が傷ついていたりすると起こりやすく、レーザーによるダメージや剃毛時の刺激が原因になるこもあります。

毛嚢炎がおきやすい部位

VIO、脚、脇、背中、おでこ、ヒゲなど皮脂分泌が多い、または毛が濃くむれやすいところは雑菌が繁殖しやすいため特に注意が必要です。施術後にニキビのような赤く小さなブツブツができた場合はクリニックに相談しましょう。

硬毛化（増毛化）

硬毛化（増毛化）は、肌トラブルではありませんが、レーザーによって毛が太くなったり増えたりするものです。脱毛後の副作用として報告⁹⁾がされています。明確な原因は不明ですが、レーザーの刺激が毛周期の乱れや毛の生成に影響を与えるためと考えられています。レーザーの出力を調整することで、硬毛化した毛の脱毛も可能なので、硬毛化が起きたと感じた場合は医師に相談してください。

硬毛化しやすい部位

うなじ、フェイスライン、肩、にのうで、おへそ周りなど細くやわらかい毛が多いところは特に注意が必要です。施術後、明らかに周囲と異なる丈夫な濃い毛が生えた場合はクリニックに相談しましょう。

8)Sean W Lanigan, Incidence of side effects after laser hair removal, Journal of the American Academy of Dermatology, Volume 49, Issue 5,2003, Pages 882-886,ISSN 0190-9622
https://www.jaad.org/article/S0190-9622(03)02106-6/abstract
9)DESAI, SHRADDHA MD*,†; MAHMOUD, BASSEL H. MD, PhD‡; BHATIA, ASHISH C. MD, FAAD†,§; HAMZAVI, ILTEFAT H. MD‡. Paradoxical Hypertrichosis After Laser Therapy: A Review. Dermatologic Surgery 36(3):p 291-298, March 2010. | DOI: 10.1111/j.1524-4725.2009.01433.x
https://journals.lww.com/dermatologicsurgery/abstract/2010/03000/paradoxical_hypertrichosis_after_laser_therapy__a.2.aspx

【知恵袋まとめ】熱破壊式、蓄熱式とも効果を実感

知恵袋では熱破壊式、蓄熱式とも合う合わないとの意見がみられました。毛質、肌質、痛みの耐性など人により選ぶべき脱毛機は異なります。カウンセリングで肌状態を確認してもらうのがいいでしょう。

参考：Yahoo!知恵袋

熱破壊式と蓄熱式を相談できるクリニックが理想

熱破壊式や蓄熱式など希望の脱毛機がある場合は、契約前に相談すると良いです。医師が毛の太さや場所などを考慮して脱毛機を選んでくれるため、基本的には医師にお任せするのが良いでしょう。

クリニックのウェブサイトに脱毛機の情報が掲載されていても、必ずその脱毛機で施術できるわけではありません。保有している台数によっては、希望した脱毛機が空いていないこともありますし、毎回必ず熱破壊式の脱毛機で施術しないクリニックもあります。

下記に地域毎に、クリニックと脱毛機一覧の情報を掲載していますので、希望の脱毛機を保有するクリニックを探してみてください。