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ジェントルマックスプロ ヤグレーザーとは?アレキとの違いを解説

医療法人Clara理事長神林由香
【記事監修】神林 由香
専門分野
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本美容内科学会評議員
日本抗加齢学会正会員
経歴

メンズクララ院長、医療法人Clara理事長
東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局、2016年大手美容外科都内分院スキンクリニック院長などを経て、現職。
医師は客観的な事実を監修しており、特定の商品をおすすめするものではありません。

ジェントルマックスプロのヤグレーザーを調べると、「アレキとどちらがよいのか」「ジェントルレーズと同じ機械なのか」「ヒゲやVIOならヤグなのか」と、名前・波長・部位の話が一緒になりがちです。

ヤグレーザーは、Nd:YAG(ネオジミウム・ヤグ)という種類の、波長1064nmのレーザーです。この記事では、公的な資料とメーカー公式の記載をもとに、ヤグとアレキの違いと、ヤグが検討される場面を整理します。個人に使う波長や施術の可否を決める記事ではありません。

結論
  • ヤグ(1064nm)は表皮のメラニンに吸収されにくく、深く届く光です。アレキ(755nm)はメラニンに吸収されやすい光です。
  • 肌や部位の色が濃い場合に、ヤグが検討されます。VIO・ヒゲだから、という決まりはありません。
  • ヤグの方が効く、回数が減る、とは言い切れません。痛みは他の機器よりやや強いとされます。
  • 呼び名だけでは、院内の機械が2波長機かヤグ単体かは分かりません。
先に知りたいこと読む場所
ヤグとアレキの違いを知りたい波長の違い
どんなときにヤグが検討されるか知りたいヤグが検討される場面
公的な資料に何と書いてあるか知りたい資料の記載
痛み・冷却・注意点を知りたい痛みと冷却
効果が高い・硬毛化が心配医師に聞いた話
ジェントルレーズやジェントルヤグとの違いを知りたい呼び方と実機構成
予約前に何を聞くか知りたいまとめ

ヤグレーザーとアレキサンドライトレーザーは、何が違う?

違いは波長、つまりレーザー光の種類を表す数値にあります。メーカーは、GentleMax Proを波長755nmと1064nmの2波長を1台に搭載する装置と案内しています。755nmがアレキサンドライトレーザー(アレキ)、1064nmがヤグレーザーです。

確認する項目アレキサンドライトヤグ(Nd:YAG)
波長755nm1064nm
光の性質メラニンに吸収されやすい表皮メラニンへの吸収が少なく、深くまで届く
※出典はメーカー公式(2026-10-20確認)。

毛を狙うレーザー脱毛は、毛の黒い色素(メラニン)が光を吸収して熱になり、毛の組織に伝わることで働きます。755nmはその色素に吸収されやすく、1064nmは吸収されにくいぶん、表皮を通り抜けて深くまで届きます。違いは優劣ではなく、光の性質です。どちらも脱毛に有効とされています。ヤグの痛みについては、下の節で触れます。

ヤグレーザーが検討されるのは、どんな場面?

目安になるのは、肌や部位の色が濃いかどうかです。よく見かける説明と、実際に確認できることを並べます。

よく見かける説明・場面ヤグの扱い
肌や部位の色が濃いヤグが検討される(入口)
日焼けで赤み・ほてりがある肌の色が元に戻るまで、波長にかかわらず見送る
ヒゲ・VIOだから部位名だけでは決まらない。「ヒゲ・VIOはヤグ」という記載は、公的な資料に見当たらない
毛が太い・濃い・深いから向くとは言い切れない。深さ・太さ・色調は、アレキで効果が劣る場合がある要素とされる
アレキで出力を上げ、抜け残りにヤグ決まった手順は、公的な資料に書かれていない
硬毛化(照射後に毛がかえって太く濃くなること)が心配だからヤグヤグなら防げる、とは言えない。原因・対処法は確立していない

次の場合は、使用しないとされています。

  • 光に過敏な方・光線過敏症の方
  • 単純ヘルペスの活動性病変がある部位
  • 開放創や感染状態の皮膚
  • 刺青を入れた皮膚

日焼け・服薬・既往歴も、事前に伝えてください。実際に使う波長は、肌の色調、毛の太さと色、日焼けの有無、既往歴や服薬、実機の構成を医療者が確認して決めます。

なぜ、肌の色が濃いとヤグを検討するの?

肌の色が濃いと、表皮にメラニンが多く、メラニンに吸収されやすい光ほど表皮に熱がたまりやすくなります。1064nmは吸収されにくく深くまで届くため、色の濃い肌でも選択肢になる、という考え方です。

公的な資料には、どう書かれている?

電子添文(医療機器の公式な取扱説明)には、次の記載があります。

  • 色調が濃いスキンタイプや部位には、ヤグでの治療を検討する(VIO・ヒゲの記載はありません)
  • 日焼けによる炎症は、皮膚の色調が元に戻るまで治療を避ける
  • 小範囲のテスト照射で、1〜2週間後の反応を見てから本照射へ進む

診療指針(5学会共同の美容医療診療指針)には、次の記載があります。

  • ヤグはスキンタイプによらず脱毛に有効。痛みは他の機器よりやや強い
  • アレキも脱毛に有効。ただしスキンタイプがⅣ〜Ⅵの場合や、毛の深さ・太さ・色調によっては、効果が劣る場合や硬毛化の可能性がある
  • 色黒の肌は合併症(色素沈着・熱傷)のリスクが高く、ヤグは深くまで届く。色が濃い肌で最適とするレビューも紹介されている
  • 比較した報告には、回数を考慮するとアレキの方が有効性が高いとされたものもある(機種・条件が異なり、GentleMax Pro内の比較ではありません)
  • 日本人のデータが少なく、日本人に適した照射条件の検討がさらに必要

スキンタイプは、日焼けのしやすさで肌を分ける目安です。Ⅰ〜Ⅵのうち、数字が大きいほど肌の色が濃くなります。

※出典はGentleMax Pro(第7版)の使用上の注意と、美容医療診療指針第5章 脱毛治療(CQ 5-1-1・5-1-3)(2026-10-20確認)。

ヤグレーザーについて、医療脱毛クリニックの女性医師に聞いてみた!

ヤグとアレキは、結局何が違うのですか?

編集部編集部
755nmと1064nmは、結局何が違うのですか。
神林由香 医師神林由香 医師
光の吸われ方と届き方です。755nmはメラニンに吸収されやすく、1064nmは吸収されにくいぶん、表皮を通って深くまで届きます。私はヤグを「強い光」ではなく「深く届く光」と考えています。
編集部編集部
どちらが優れているのですか。
神林由香 医師神林由香 医師
優劣ではなく役割の違いだと私は思います。どちらも脱毛に有効とされていて、使い分けは肌と毛を診て決めるものです。

ヤグは、どんなときに検討しますか?

編集部編集部
ヤグを検討するのは、どんなときですか。
神林由香 医師神林由香 医師
私は、肌の色調、日焼けが残っていないか、毛の太さと色を順に見ています。肌や部位の色が濃いときは、ヤグを考える入口になります。ただ、入口であって決定ではありません。
編集部編集部
決めるときの決め手は何でしょうか。
神林由香 医師神林由香 医師
同じ部位でも、毛の太さや肌の反応は人によって違います。だから私は、テスト照射で反応を確かめてから決めるのが基本だと考えています。

ヤグの方が効果が高い、回数が少なく済むと聞きますが?

編集部編集部
ヤグの方が効く、少ない回数で終わるという説明も見かけます。
神林由香 医師神林由香 医師
私は、そう言い切れないと考えています。比較した報告には、回数を考慮するとアレキの方が有効性が高いとされたものもあります。機種も条件も違う研究でGentleMax Pro内の比較ではありませんが、ヤグの方が効くと考える根拠にはなりません。

ヤグは痛いと聞きますが、本当ですか?

編集部編集部
「ヤグは痛い」という説明を見かけます。
神林由香 医師神林由香 医師
他の機器よりやや強いとされています。ただし機器をまたいだ一般的な話で、個人の痛みを決めるものではありません。冷却や設定、部位でも変わると私は見ています。
編集部編集部
痛みが不安なときは、どうすればよいですか。
神林由香 医師神林由香 医師
痛いときに伝えられるか、テスト照射ができるか、麻酔の適応と費用はどうかを確認してください。小範囲のテスト照射で反応を見てから本照射へ進むのが一般的です。

波長を変えれば、硬毛化は防げますか?

編集部編集部
硬毛化が心配で、波長を指定したいという相談はありますか。
神林由香 医師神林由香 医師
あります。ただ、硬毛化は原因も確立した対処法も一律ではありません。「この波長にすれば予防できる」とは、私はお約束できません。
編集部編集部
心配な方は、どうしたらよいでしょう。
神林由香 医師神林由香 医師
気になる変化が出たら、自己判断で間隔や条件を変えず、照射日と気づいた日、部位を記録して相談してください。記録があると、経過として評価しやすくなります。

ヤグレーザーは痛い?冷却と注意点も確認

観点確認できること
痛み他の機器よりやや強いとされる。個人の痛みを決めるものではなく、設定や部位でも変わる
冷却照射直前に寒剤を吹き付けて皮膚を保護するDCDを備える。痛みや熱傷がゼロになるわけではない
注意点日焼けの炎症がある間は見送る。小範囲のテスト照射で反応を確かめてから本照射へ進む
※出典はメーカー公式と、上の資料の記載(2026-10-20確認)。

痛みが不安なときは、強いときに伝える方法と、テスト照射・麻酔の相談を、予約前に確かめてください。

ジェントルレーズ・ジェントルヤグ・ジェントルマックスプロは何が違う?

「ジェントルレーズ」「ジェントルヤグ」「ジェントルマックスプロ」は、同じジェントルシリーズの製品名です。メーカーの現行ページでは、製品名ごとに搭載する波長の案内が違います。ただし、院内の実機がその構成とは限りません。

製品名(メーカーの現行ページ)搭載する波長備考
GentleMax Proアレキサンドライト755nm・Nd:YAG 1064nm電子添文に、アレキのヘッドを付けないNd:YAG単体の出荷の記載あり
GentleLase Proアレキサンドライト755nm電子添文に、アレキ単体と、Nd:YAGとの複合機タイプの記載あり
GentleYag ProNd:YAG 1064nmGentleMax Proと同じ医療機器承認番号(23000BZX00128000)
※GentleMax Pro・GentleLase Pro・GentleYag Proのメーカー製品ページと、GentleMax Pro・GentleLase Proの電子添文による(2026-10-20確認)。

呼び名だけで、実機構成を断定しない

GentleMax Pro Plusにも、Nd:YAGレーザー1064nmの仕様が示されています。プロとプロプラスの仕様差はジェントルマックスプロとプロプラスの違いで整理しています。

GentleYag Proのメーカーページには、GentleMax Proと同じ承認番号が書かれています。ヤグ単体の構成があることを示す情報ですが、院内の機械がどの構成かは、名前だけでは分かりません。

「ジェントルレーズだから必ずアレキだけ」「ジェントルマックスプロだから必ず2波長を使える」と、通称だけで断定するのは正確ではありません。実機の確認は、まとめの表で聞けます。シリーズ全体の位置づけはジェントルマックスプロの仕組みとシリーズの違いで整理しています。

ジェントルマックスプロのヤグレーザーに関するよくある質問

ヤグレーザーの方が効果が高い、回数が少なく済みますか?

言い切れません。アレキもヤグも脱毛に有効とされ、比較した報告には、回数を考慮するとアレキの方が有効性が高いとされたものもあります。経過の見方は効果・回数の考え方で扱っています。

VIO・ヒゲならヤグレーザーを選ぶべきですか?

部位名だけでは決まりません。電子添文が挙げているのは「色調が濃いスキンタイプや部位」で、VIOやヒゲとは書かれていません。同じ部位でも肌と毛の状態は人によって違うため、実機構成を含めて医療者の説明を受けてください。

硬毛化が心配なら、初回からヤグレーザーを選べば防げますか?

硬毛化はアレキ特有ではなく、原因や対処法は確立されていません。特定の波長で予防できるとは保証できません。過去に毛が濃くなったと感じた経過があれば、照射前に伝えてください。毛が濃くなったと感じたときの見方は硬毛化と効果の確認点で扱っています。

ジェントルマックスプロとプロプラスで、ヤグの仕様は違いますか?

どちらにも1064nmのヤグが示されています。最大スポット径など仕様の違いはプロとプロプラスの違いにまとめています。

ヤグレーザーと蓄熱式は別のものですか?

美容医療診療指針でも、別の方法として扱われています。蓄熱式との違いは熱破壊式と蓄熱式の違いで整理しています。

まとめ

ジェントルマックスプロのヤグレーザーで、押さえておきたい点は次のとおりです。

  • ヤグは波長1064nmで、表皮のメラニンに吸収されにくく、深くまで届く。アレキは755nmでメラニンに吸収されやすい
  • 肌や部位の色が濃い場合に、ヤグが検討される。VIO・ヒゲなど部位名での決まりはない
  • ヤグの方が効く、回数が減るとは言い切れない。痛みは他の機器よりやや強いとされる
  • ジェントルレーズ・ジェントルヤグ・ジェントルマックスプロは波長の構成が違う。通称だけでは実機構成は分からない

予約前には、次の3点を医療機関へ確認してください。

確認することそのまま聞ける質問
実機「私に使う予定の機器の正式名と、レーザーヘッドの構成を教えてください」
判断の根拠「皮膚・毛・部位のどの点を見て、波長や条件を判断しますか」
安全に関わる申告「日焼け、服薬、既往歴で事前に伝えるべきことはありますか」

本記事で扱う医療脱毛(レーザー脱毛)は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となり、料金や回数は医療機関ごとに異なります。なお、脱毛の効果・必要な回数・副作用の現れ方には個人差があります。

参考文献

資料名発行元版・確認日
長期減毛・皮膚疾患用レーザー装置 GentleMax Pro 電子添文独立行政法人 医薬品医療機器総合機構第7版(2025年9月作成)/2026-10-20確認
長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleLase Pro 電子添文独立行政法人 医薬品医療機器総合機構第8版(2024年11月作成)/2026-10-20確認
長期減毛・皮膚疾患用レーザー装置 GentleMax Pro Plus 電子添文独立行政法人 医薬品医療機器総合機構第6版(2026年3月改訂)/2026-10-19確認
GentleMax Pro 製品ページシネロン・キャンデラ2026-10-19確認
GentleLase Pro 製品ページシネロン・キャンデラ2026-10-20確認
GentleYag Pro 製品ページシネロン・キャンデラ2026-10-20確認
GentleMax Pro Plus 製品ページシネロン・キャンデラ2026-10-19確認
美容医療診療指針(令和3年度改訂版)5学会共同2022年/2026-10-20確認

記事監修医師プロフィール

神林由香

医療法人社団Clara理事長
メンズクララ院長/医師

神林由香

日本皮膚科学会正会員。日本抗加齢学会正会員。メンズヘルス医学会会員。 美容外科専門医(JSAS)。
東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。
東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局、2016年大手美容外科都内分院スキンクリニック院長などを経て現職。