日本美容皮膚科学会会員
日本美容内科学会評議員
日本抗加齢学会正会員
メンズクララ院長、医療法人Clara理事長
東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局、2016年大手美容外科都内分院スキンクリニック院長などを経て、現職。
医師は客観的な事実を監修しており、特定の商品をおすすめするものではありません。
「永久脱毛なら、一生毛が生えないのでは?」「医療脱毛を選べば、永久脱毛と同じ意味なの?」と迷う人は少なくありません。けれども、永久脱毛という言葉だけで、期待できる状態や契約内容まで決まるわけではありません。
この記事では、確認したGentleMax Proの使用目的や注意事項を記す公式文書(電子添文)、厚生労働省の通知、学会指針、FDAの公開資料をもとに、言葉の意味と確認すべき点を整理します。自分に必要な回数や施術可否をこの記事だけで決めるものではなく、契約前に説明を確かめるための基準としてお読みください。
- 確認したGentleMax Proの電子添文では、使用目的を「長期的な減毛」と記載しています。
- 同電子添文は、複数回の治療が必要で、期待される効果は永久的なものではないと治療前の説明事項に挙げています。
- FDA公開のK140122では、`permanent hair reduction`を、治療後に再び生える毛の本数が長期的・安定的に減る状態として説明しています。
- 少なくとも、この記事で確認したGentleMax Pro電子添文とFDA公開のK140122は、すべての毛が一生一本も生えないことを保証する説明ではありません。
「医療脱毛」と「永久脱毛」を混同しないための整理
| 用語・資料 | 何を説明するか | ここから言えること | ここから言えないこと |
|---|---|---|---|
| 医療脱毛 | 医療機関で行う脱毛を指す一般的な呼び方 | 施術を受ける場所・体制を区別する言葉 | どの程度減るか、一生生えないか |
| 永久脱毛 | 効果の持続性を説明する場面で使われる言葉 | 言葉だけで機器・回数・契約内容は決まらない | 個別の結果や回数の保証 |
| PMDA GentleMax Pro電子添文 | 確認した特定機器の使用目的・説明事項 | 使用目的は「長期的な減毛」 | すべての人で一生一本も生えないこと |
| FDA公開のK140122 | 特定機器の510(k)資料における`permanent hair reduction`の説明 | 再生毛数の長期的・安定的な減少という説明 | FDAがすべての脱毛に定めた一般定義、FDA承認の永久脱毛 |
両者は関係しますが、同じ意味ではありません。医療機関で行う方法でも、「永久」という言葉だけで一生毛が生えない結果が決まるわけではない点を、まず押さえてください。
永久脱毛の定義はどこで決まっている?
結論から言うと、「永久脱毛」という言葉を一つの資料だけで決めることはできません。国内の機器の公式文書、海外の機器別資料、学会指針では、用いる言葉と説明の目的が異なります。大切なのは、広告の言葉だけで受け取らず、どの資料が何を説明しているかを分けることです。
| 資料 | この記事で確認できること |
|---|---|
| PMDA電子添文 | 確認したGentleMax Proは「長期的な減毛」を使用目的とすること |
| FDA公開のK140122 | 特定機器での `permanent hair reduction` を、再生毛の本数が長期的・安定的に減る状態として説明していること |
| 日本の学会指針 | 欧米では `hair reduction` 表記が一般的で、電気脱毛が永久脱毛として行われてきた経緯 |
確認したGentleMax Pro電子添文は「長期的な減毛」と表記
電子添文とは、医療機器の使用目的、注意事項、リスクなどを示す公式文書です。PMDAで確認したGentleMax Proの電子添文は、この機器を「レーザの選択的熱作用により、長期的な減毛を目的とした装置」と記載しています。
また、治療前に説明する事項として、複数回の治療が必要であり、期待される効果は永久的なものではないことを挙げています。この記載は、すべての国内機器やすべての人の結果を一律に表すものではありません。少なくとも、確認したこの国内承認機器については、「一度受ければ一生すべての毛が生えない」と読むべき説明ではありません(PMDA電子添文)。
FDA公開のK140122にある「permanent hair reduction」の説明
FDAの公開データベースに掲載されている、GentleMAX Family of Laser Systemsの510(k) Summary K140122では、`permanent hair reduction`を、治療後に再び生える毛の本数が長期的・安定的に減ることと説明し、治療終了後6・9・12か月で測定する記載があります。
ここで重要なのは、この資料が特定機器の510(k)資料であることです。この記事では、これをFDAがすべての脱毛に共通して定めた一般定義とは扱わず、「FDA承認の永久脱毛」とも書きません。読者にとっての実用的なポイントは、永久という言葉が「再生毛がゼロになる保証」ではなく、再生する毛の本数が安定して減る状態を指す説明として使われている点です(FDA公開510(k)資料 K140122)。
学会指針は「欧米では減毛(hair reduction)表記が一般的」と明記
日本皮膚科学会など5学会が作成した美容医療診療指針は、欧米では `hair removal` よりも `hair reduction`、つまり「減毛」という表記が一般的であると記載しています。一方、日本では「レーザー脱毛」という呼び方が広く普及しているため、指針では用語をレーザー脱毛で統一しています。
これは、言葉の選び方が「効果をゼロか100かで約束するもの」ではないことを理解する助けになります。日本語の「脱毛」や「永久脱毛」という言葉だけで、具体的な持続性・回数・対象範囲まで決めつけず、機器の説明と施術先の説明を確認しましょう(美容医療診療指針)。
「永久脱毛」と呼ばれてきたのは電気(ニードル)脱毛
同指針は、レーザー脱毛が普及するまで、電気脱毛が永久脱毛として医療機関で実施されてきたと説明しています。電気脱毛は、毛が作られる根元の組織を含む毛包(毛を包む組織)へ細い金属製のワイヤー(プローブ)を入れ、電気を流す方法です。一般にニードル脱毛と呼ばれることもあります。
厚生労働省の1984年通知も、毛包へ針を入れて電気を通し、毛乳頭部を破壊する、いわゆる永久脱毛行為について扱っています。これは「ニードル脱毛なら必ず一生生えない」という保証ではなく、永久脱毛という言葉が電気脱毛と結びついて使われてきた経緯を示す資料です(美容医療診療指針、厚生労働省の1984年通知)。
「永久脱毛」という言葉について、医療脱毛クリニックの女性医師に聞いてみた!
患者さんが「永久脱毛したい」と言うとき、どこにズレが起きやすいですか?
編集部
神林由香 医師
編集部
神林由香 医師「永久」という言葉は、公式にはどう定義されているのですか?
編集部
神林由香 医師
編集部
神林由香 医師「永久脱毛はニードルだけ」と聞くことがありますが、どう考えればよいですか?
編集部
神林由香 医師
編集部
神林由香 医師契約前に、患者さんに何を確認してほしいですか?
編集部
神林由香 医師
編集部
神林由香 医師永久脱毛すれば本当に生えなくなる?
この記事で確認したGentleMax Pro電子添文とFDA公開のK140122は、「すべての毛が一生一本も生えない」状態を説明していません。GentleMax Pro電子添文は、複数回の治療が必要で、期待される効果は永久的なものではないと説明しています。FDA公開のK140122も、評価の対象を「治療後に再び生える毛の本数が長期的・安定的に減ること」としています。
施術後に毛が生えてくることはある?
あります。少なくとも、この記事で確認したGentleMax Pro電子添文は、期待される効果を永久的なものではないと説明しています。FDA公開のK140122の記載も、治療後に生えてくる毛がゼロになることではなく、その本数が長期的・安定的に減ることです。
「永久」という言葉だけを契約の判断材料にすると、想定との差が生まれやすくなります。カウンセリングでは、「治療後にどの程度の状態を目標にするのか」「追加の施術が必要になる場合はどう説明されるのか」を、担当者に具体的に確認してください(PMDA電子添文、FDA公開510(k)資料)。
「完了」は何を基準に判断する?
一律の回数だけで「完了」を決める根拠は、この記事では示しません。目標が「自己処理を減らしたい」のか、「特定の部位の毛量を整えたい」のかで、確認すべき状態が変わるためです。
| 完了前に確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 目標 | 「どの範囲を、どの程度まで減らすことを目標にしますか」 |
| 見通し | 「回数の目安は、私の毛・肌・対象部位の何を基に説明しますか」 |
| 追加施術 | 「追加が必要になった場合の条件と費用を、契約前に確認できますか」 |
| 契約条件 | 「有効期限、解約・返金の条件は書面で確認できますか」 |
どの方法なら「永久脱毛」と呼べる?
特定の方法を選べば「永久」という結果が保証される、と一律には言えません。歴史的に電気脱毛が永久脱毛として行われてきた経緯はありますが、永久脱毛という言葉の説明と、実際に行う方法・機器・施術者の体制は分けて確認する必要があります。「医療脱毛なら必ず永久脱毛」「光脱毛なら効果がない」といった二択では整理できません。
| 方法・区分 | この記事で確認すること |
|---|---|
| レーザー脱毛 | 確認したGentleMax Pro電子添文は長期的な減毛を使用目的とする。すべての機器・全員に同じ持続性が得られるとは断定しない |
| 電気(ニードル)脱毛 | 学会指針は、レーザー普及前に永久脱毛として医療機関で実施されてきた経緯を記載。施術後に必ず毛が生えないとは断定しない |
| 光を使う施術 | 厚労省通知は、毛根部分を破壊する強いレーザー・光の行為を扱う。「光脱毛」という名称だけで、効果や適法性を一律に判断しない |
医療機関でのレーザー脱毛と電気脱毛
レーザー脱毛では、使う機器ごとの使用目的と説明事項を確認します。たとえば、この記事で確認したGentleMax Proの電子添文は、レーザの選択的熱作用による長期的な減毛を使用目的としています。電気脱毛は、毛包にプローブを入れて電気を流す方法で、学会指針はその歴史的な位置づけを説明しています。どちらの説明でも、単に「永久」という語だけで、あなたに必要な回数や結果まで決まるわけではありません(PMDA電子添文、美容医療診療指針)。
方法の違いをさらに知りたい場合は、機器全体の比較を扱う医療脱毛機の種類の記事や、照射方式を詳しく説明する熱破壊式と蓄熱式の違いの記事も参考にしてください。この記事では、永久脱毛という言葉の定義と持続性に絞ります。
サロンの光脱毛との線引きは「機器名」だけで決められない
厚生労働省の2001年通知は、機器が医療用かどうかを問わず、レーザー光線やその他の強いエネルギーを持つ光を毛根部分に照射し、毛乳頭などを破壊する行為について、非医師が業として行えば医師法17条に違反すると示しています。
この通知は、すべての「光脱毛」という名称のサービスを同じものとして評価する資料ではありません。名称だけで「永久脱毛と呼べる・呼べない」「安全・危険」と決めつけず、どのような施術を誰が行うのか、医師への相談や異常時の連絡体制があるかを、提供先に確認してください(厚生労働省の2001年通知)。
医療機関とサロンを比較するときは、広告の言葉だけでなく、次の点を同じ条件で確認すると違いを整理しやすくなります。
- 実際に行う施術と、使う機器をどのように説明しているか
- 適応・リスク・回数の見通しを、誰がどの根拠で説明するか
- 痛みや皮膚症状が出たとき、どこへ連絡し、医師に相談できる体制があるか
- 追加施術・キャンセル・解約を含む契約条件はどうなっているか
全身を永久脱毛したい場合に知っておくこと
全身を対象にする場合でも、「永久脱毛」という言葉だけでは、範囲や完了の考え方は決まりません。特に、顔・VIOなどを含むかどうかはセットごとに分けて確認する必要があります。先に、どの部位を優先するのか、どこまでを一つの契約に含めるのかを整理してから比較しましょう。
厚生労働省は、美容医療サービス等の自由診療について、施術前に費用(その費用で受けられる施術の回数・範囲を含む)と解約条件を丁寧に説明するよう示しています。広い範囲を契約するほど、広告の「全身」の印象ではなく、実際の対象部位・回数・解約条件を見積書と契約書で照合することが重要です(厚生労働省の通知)。
| 整理すること | 契約前に確認する内容 |
|---|---|
| 対象範囲 | 顔・VIOなど、セットに含む部位と含まない部位 |
| 目標 | 完全になくしたいのか、自己処理の負担を減らしたいのか |
| 施術計画 | 部位ごとの見通しをどう説明するか、追加施術の条件 |
| 総額 | 回数、追加費用、有効期限、解約・返金条件 |
広い範囲を一度に契約する前に、部位ごとの優先順位と、説明の根拠を聞きましょう。回数や価格だけを並べて比較するよりも、自分の目標と契約範囲が一致しているかを確認しやすくなります。
契約前に確認すべきこと
永久脱毛を検討するときは、「永久」という語の印象だけで決めず、説明を受けた内容を契約前に自分でも確認できるようにしましょう。PMDA電子添文には、効果・安全性について治療前に十分な説明と同意を得ることが記載されています。厚生労働省も、美容医療サービス等の自由診療について、費用(回数・範囲を含む)と解約条件を施術前に丁寧に説明するよう示しています(PMDA電子添文、厚生労働省の通知)。
同通知は、医学上の必要性が認められない即日施術を強要することは厳に慎まれるべきとし、やむを得ず即日施術を希望する場合も、受けるかどうかを熟慮する十分な時間を設けるよう示しています。見積書・契約書には、説明と同じ回数・範囲・解約条件が記載されているかを、契約前に自分で照合してください。
| 確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 使う方法・機器 | 「私に使う方法と、使用目的をどう説明しますか」 |
| 永久という言葉の意味 | 「このプランでいう『永久』は、どの資料・どの状態を指しますか」 |
| 回数・費用・解約 | 「追加施術、麻酔、剃毛、キャンセルを含む総額、受けられる回数・範囲、解約条件は何ですか」 |
| リスクと相談先 | 「皮膚症状や痛みが出た場合、誰にいつ連絡できますか」 |
説明を受けたときは、疑問をその場で解消し、契約書や見積書にも同じ条件が書かれているか確認しましょう。
永久脱毛のよくある質問
- 医療脱毛と永久脱毛は同じ意味ですか?
-
同じ意味ではありません。この記事では、医療機関で行う脱毛を医療脱毛、効果の持続性を説明する場面で使われる言葉を永久脱毛として分けています。医療機関で行う方法でも、「永久」という語だけで一生生えない結果が保証されるわけではありません。
- 医療脱毛なら一生生えませんか?
-
少なくとも、この記事で確認したGentleMax Pro電子添文とFDA公開のK140122は、一生一本も生えないことを説明していません。GentleMax Pro電子添文には、複数回の治療が必要で、期待される効果は永久的なものではないと記載されています。K140122も、治療後に再び生える毛の本数が長期的・安定的に減ることを説明しています。
- 何回くらいで終わりますか?
-
この記事には、全国共通の回数表を置いていません。回数の目安を聞く際は、対象部位・毛・肌・目標のどれを基に説明しているか、追加施術の条件や費用まで確認してください。根拠のない一律の回数だけで契約を判断しないことが大切です。
- ヒゲやVIOでも同じですか?
-
永久という言葉を「一生毛が生えない保証」と読まない点は同じです。一方で、希望する範囲や契約内容は部位ごとに分けて確認してください。VIOをどこまで整えるかで迷う場合は、メンズVIO脱毛で後悔しないための考え方も参考になります。
最後に、候補の医療機関へ次の質問に答えてもらえるか確認してください。
| 確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 言葉の定義 | 「このプランでいう永久脱毛は、どのような状態を目標にしていますか」 |
| 方法と根拠 | 「使う機器・方法の使用目的と、私への説明の根拠を教えてください」 |
| 経過と追加 | 「目標に届かなかった場合、追加施術の条件と費用はどうなりますか」 |
| 安全性 | 「症状が出た場合の連絡先と、医師に相談できる体制を教えてください」 |
参考文献
| 資料名 | 発行元 | 版・確認日 |
|---|---|---|
| GentleMax Pro 電子添文 | 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) | 第7版・2025年9月作成/2026-08-31確認 |
| いわゆる「永久脱毛」行為について | 厚生労働省 | 1984年11月13日/2026-08-31確認 |
| 医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて | 厚生労働省 | 2001年11月8日/2026-08-31確認 |
| 美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取扱い等について | 厚生労働省 | 2013年9月27日/2026-09-01確認 |
| 美容医療診療指針(令和3年度改訂版) | 日本皮膚科学会など5学会 | 2022年/2026-08-31確認 |
| GentleMAX Family of Laser Systems 510(k) Summary K140122 | U.S. Food and Drug Administration | 2014年/2026-08-31確認 |


