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ニードル脱毛(針脱毛)とは?危ない?眉に使われる理由とデメリットを医師が解説

医療法人Clara理事長神林由香
【記事監修】神林 由香
専門分野
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本美容内科学会評議員
日本抗加齢学会正会員
経歴

メンズクララ院長、医療法人Clara理事長
東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局、2016年大手美容外科都内分院スキンクリニック院長などを経て、現職。
医師は客観的な事実を監修しており、特定の商品をおすすめするものではありません。

眉の脱毛を相談して「レーザーでは難しいのでニードルで」と言われた。ニードル脱毛(針脱毛)と聞いて、針を刺すと聞くだけで痛そう、危なそうと感じている。「永久脱毛」と書くページもあれば「効果がない」という検索候補も出る——どれを信じればいいか分からない、という方に向けて書いています。

先にお伝えすると、ニードル脱毛はレーザーより古い方法で、学会の診療指針では「永久脱毛として医療機関で実施されてきた」手技です。ただし万能ではありません。仕組み、危ないと言われる中身、眉に使われる理由、「効果がない」と言われる理由を、公的な資料の原文をもとに順番に説明します。

結論
  • ニードル脱毛は、毛穴に細い針を入れて電気を流し、毛を作る組織を壊す方法です
  • 医療機関で受ける限り「危険」より「負担が大きい」方法。赤み・腫れ・毛嚢炎などは起こりえます
  • 眉に使われるのは、目のすぐ上でレーザーの照射を避ける部位だから。1本ずつ形を残せます
  • 「永久脱毛」として医療機関で行われてきたのは、レーザーより前からあるこの電気脱毛です
  • 弱点は痛み・時間・費用。広い範囲には向かず、1回では終わりません

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そもそも何をする脱毛か知りたい仕組みを先に理解する
眉をやりたい・レーザーで断られた眉毛のニードル脱毛はなぜ選ばれる?
痛い・危ないと聞いて不安デメリットは?
永久脱毛なのか・効果がないと聞いた「永久脱毛」なの?
レーザーとどちらにするか迷うレーザー脱毛との使い分け

ニードル脱毛(針脱毛)とは?仕組みを先に理解する

ニードル脱毛とは、毛穴に細い針(プローブ)を入れ、その針に電気を流して、毛を作っている組織を壊す脱毛法です。医療針脱毛、絶縁針脱毛とも呼ばれます。レーザーのように光を当てるのではなく、1本の毛に対して1回ずつ処理します。

日本の5つの学会がまとめた美容医療の診療指針では「電気脱毛」と呼ばれ、毛包に細い金属製のワイヤーを挿入し、電気を流して毛包を破壊する方法、と説明されています。

名前がいくつもあって混乱しやすいので、先に整理します。

呼び方中身
ニードル脱毛・針脱毛・医療針脱毛同じもの。針を毛穴に入れて電気を流す脱毛の呼び名の違い。「脱毛針」「針 脱毛」と検索されることもあります
電気脱毛学会の手引きでの呼び方。レーザー脱毛が普及する前から医療機関で行われてきた
絶縁針脱毛針の先端だけに電気が通るよう、表面を絶縁した針を使う方式(下で説明)
美容電気脱毛エステサロンなどで使われる呼び方。何を壊しているかは施設ごとに違うので、この記事では扱いを分けます(よくある質問)
※呼び方は施設によって違います。契約前に「毛を作る組織を壊す施術か」「医師か看護師が行うか」を確かめてください。

毛穴に細い針を入れて電気を流す

ニードル脱毛の流れ。①毛穴に沿って毛の根元まで細い針を入れる、②一瞬だけ電気を流して毛を作る部分(毛包)を壊す(診療指針に記載)、③力を失った毛を抜き取り次の毛穴へ移る(施設の案内による流れ)。ニードルは針を入れた毛穴の中だけに電気が流れ毛の色に頼らない。レーザーは毛のメラニンに反応して広い面に照射する

図:ニードル脱毛の流れと、レーザーとの違い。③は施設の案内に共通する流れで、診療指針の記載ではありません。出典は図中に記載(2026-10-28確認)。

施術の流れは、大きく3つです。

  1. 毛穴に沿って、毛の根元まで細い針を入れる
  2. 針に一瞬だけ電気を流し、毛を作る部分(毛包)を壊す
  3. 力を失った毛を抜き取り、次の毛穴へ移る

ポイントは、電気が届くのが針を入れた毛穴の中だけ、という点です。レーザーは黒い色(メラニン)に反応する光を広い面に当てますが、ニードルは色を頼りにしません。だから、レーザーが反応しにくい白髪や産毛、ほくろの上の毛でも処理できます。

逆に、面で一気に処理できないので、本数が多い部位ほど時間がかかります。

針を入れるには、毛が皮膚の外に出ている必要があります。そのため、多くの施設が「施術日まで毛を伸ばしておく」ように案内しています。伸ばす長さや期間は施設ごとに違うので、予約時の案内に従ってください。

絶縁針とは?方式の違いは?

針の種類と電気の流し方には、いくつかの方式があります。選ぶときに関わるのは、主に「絶縁針かどうか」です。

方式違いと見方
絶縁針針の先端だけが電気を通し、皮膚の表面に触れる部分は絶縁されている。表面に電気が流れにくく、毛包だけを狙いやすい。多くのクリニックが「絶縁針を使う」と案内している
絶縁されていない針針全体が電気を通す。表面にも電気が流れるため、肌への刺激が出やすい。施設の説明で「絶縁針か」を確かめる材料になる
電気の流し方(高周波・直流・ブレンド法など)名前が違っても、毛を作る組織を壊す目的は同じ。どの方式かより、医療機関で医師・看護師が行うかのほうが判断に影響する

方式の優劣は断定しません。「絶縁針か」「どの方式か」を聞いたときに、説明の意味が分かる程度に押さえておけば十分です。

ポイント
  • 針を毛穴に入れて電気を流し、毛包を壊す。1本ずつ処理する
  • 色に反応する方法ではないので、白髪・産毛・ほくろの上の毛も対象になる
  • 絶縁針は皮膚の表面に電気が流れにくい針。方式の名前より、医療機関で受けるかが判断の軸

【眉のニードル脱毛って実際どうなの?】をメンズ脱毛クリニックの女性医師に聞いてみた!

ここからは、レーザー脱毛を日常的に行っている医師に、眉の相談を受けたときにどう判断しているか、ニードルという方法をどう見ているかを聞きました。

ニードル脱毛は危ないですか?

編集部編集部
「ニードル脱毛 危ない」と検索する人が多いようです。先生はどう考えますか?
神林由香 医師神林由香 医師
医療機関で医師か看護師が行う限り、私は「危険な方法」とは考えていません。危ないというより、負担が大きい方法だと説明しています。針を入れて電気を流すので、1本ごとに痛みがあり、施術した毛穴に赤みや腫れが出ることはあります。毛嚢炎が起きたり、色素沈着が残ったりすることもあります。これは毛を作る組織を壊す施術に共通する反応で、ニードルだけが特別に危ないわけではありません。
編集部編集部
では、何に気をつければいいですか?
神林由香 医師神林由香 医師
受ける場所です。針を皮膚に入れる以上、針が患者ごとに使い捨てか、施術するのが医師か看護師か、何かあったときに診てもらえるか、の3つは確かめてほしいと思います。ここが曖昧な施設で受けるなら、方法そのものより、その施設が心配です。

眉にレーザーを使わないのはなぜですか?

編集部編集部
眉の脱毛を相談すると「レーザーは難しい」と言われることが多いようです。なぜですか?
神林由香 医師神林由香 医師
眉にレーザーを希望される方は実際にいますが、私は当てません。眉は目のまわりの骨のふち、眼窩縁のすぐ上に生えていて、照射の範囲がどうしてもそこにかかるからです。脱毛レーザーの公式文書にも、眼窩縁への照射は避けるように書かれています。目に近い部位で面に光を当てる、という組み合わせ自体を避けるべきだと考えています。
編集部編集部
保護用のゴーグルをしていてもダメなのですか?
神林由香 医師神林由香 医師
「ゴーグルがあれば大丈夫では」と聞かれることはあります。ゴーグルは目そのものを守る道具で、照射部位が目に近いこと自体は変わりません。それにレーザーは面で当てるので、眉のように「この1本は残す、この1本は取る」という制御ができません。目に近く、形を残す必要がある。その2つが重なる部位では、1本ずつ処理できるニードルのほうが理にかなっていると考えています。

1本ずつというのは、どのくらい時間がかかるものですか?

編集部編集部
1本ずつと聞くと、とても時間がかかりそうです。
神林由香 医師神林由香 医師
本数次第です。眉の形を整える程度なら本数は限られますが、ヒゲや体の広い範囲を全部ニードルで、というのは時間の面で現実的ではないと私は考えています。面で減らすのはレーザー、残った数本や白髪、目の近くなどレーザーが向かない毛をニードルで、という組み合わせが基本です。眉は最初からニードルの領域です。
編集部編集部
回数はどのくらいかかりますか?
神林由香 医師神林由香 医師
眉の形を整える程度でも、1回で終わることはまずない、と私は考えています。処理できるのは生えている毛だけで、全部の毛が同時に生えているわけではないからです。何回で終わるかは毛の量と目標の形で変わるので、数字で約束はできません。「1回で終わる」と言い切る説明を聞いたら、その根拠を確かめてほしいと思います。

眉毛のニードル脱毛(針脱毛)はなぜ選ばれる?

眉に選ばれる2つの理由
  • 目に近い(レーザーは眼窩縁を避ける)
  • 1本ずつ残したい(レーザーは分けられない)

どちらもレーザーの苦手な条件で、ニードルの得意な条件です。

目のすぐ近くで、毛を1本単位で残す必要がある

眉毛は眼窩縁(眼球が収まる骨のふち)に沿って生えている。脱毛レーザーの電子添文は眼窩縁への照射を避けるよう定めている。ニードルは針を入れた毛穴の中だけに電気が流れ、残す毛・取る毛を1本ずつ選べる

図:眉と眼窩縁の位置関係(簡略図)。出典は図中に記載(2026-10-28確認)。

脱毛レーザーの電子添文(医療機器の公式文書)には、使用上の注意として「眼窩縁:眼障害の恐れがあるため、眼窩縁はレーザ照射を避けること」と書かれています。眼窩縁は眼球が収まっている骨のふちで、眉はその骨の上に沿って生えています。眉毛そのものにレーザーを当てようとすると、この避けるべき範囲と重なります。

多くのクリニックが眉毛を医療レーザーの対象から外しているのは、この記載が理由です。

もう1つは形の問題です。眉は全部なくす部位ではなく、「ここは残す、ここは取る」を1本単位で決める部位です。レーザーは照射口の面で処理するので、残したい毛と取りたい毛が隣り合っていると分けられません。ニードルは針を入れた毛穴だけを処理するので、この分け方ができます。

眉のデザインはどう決める?取る本数の考え方

ニードルは毛が生えていれば1本単位で対象にできるので、問題は「できるか」より「どこまで取るか」です。壊した毛包からは毛が生えにくくなる前提の方法なので、取りすぎた眉は元に戻せません。流行の眉の形は変わりますし、年齢とともに似合う太さも変わります。

次の3つは、どの施設で受けるにしても自分で守れる判断です。

  1. 迷う毛は残す
  2. 1回で仕上げようとしない
  3. 鏡で見て決めてから処理する

眉尻を少し細くしたい、眉間のつながりだけ取りたい、左右の高さを揃えたい、といった要望は、本数が少ないところから始めて、本体の眉は様子を見ながら進めるのが現実的です。

眉上・眉下・眉間のどこまでがレーザーで対応できるか、アートメイクが入っている場合はどうか、といった範囲の話は「眉毛脱毛はよくない?危険・失明のリスクと医療脱毛の範囲を医師が解説」で扱っています。この記事は、ニードルの中身と、眉で選ばれる理由に絞ります。

ニードル脱毛のデメリットは?

デメリットは大きく4つです。

デメリット中身
痛み1本ごとにチクッとした刺激と熱さ。麻酔は施設次第
肌の反応赤み・腫れ・毛嚢炎など。後遺症として残りうるのは色素沈着・色素脱失・瘢痕
時間と回数1本ずつ処理するので、時間は本数に比例する。1回では終わらない
費用本数か時間で決まり、針代や血液検査代が別にかかる施設が多い

「危ないですか?」とよく検索されますが、医療機関で行われる限り「危険というより負担が大きい方法」だ、というのが上の対談での医師の見立てです。ここでは、その負担の中身を順に見ていきます。

痛み

針を毛穴に入れて電気を流すので、1本ごとにチクッとした刺激と熱さを感じます。面を冷やしながら当てるレーザーとは痛みの出方が違い、感じ方は部位と人で差が大きいです。眉のように皮膚が薄く神経の多い部位は、感じやすい傾向があります。

麻酔が使えるか、どの種類かは施設で違います。痛みが不安なら、契約前に次の3つを聞いておくと、当日の負担を見積もれます。

契約前に聞く3つ
  • 麻酔はあるか
  • 追加料金か
  • 1回に何本くらい処理するか

少ない本数から始めて、耐えられる量を確かめる進め方もできます。

施術した毛穴の赤み(毛穴ごとの炎症)や腫れが出ることがあります。学会の手引きは、レーザー脱毛後の一般的な合併症として次の5つを挙げています。毛を作る組織を壊すという点はニードルも同じなので、同じ種類の反応は起こりうると考えておくほうが安全です。

気をつけたい合併症
  • 毛嚢炎(毛穴の細菌感染)
  • 熱傷(やけど)
  • 炎症後色素沈着(茶色く残る跡)
  • 色素脱失(白く抜ける跡)
  • 瘢痕(傷あと)

このうち、後遺症として残りうるのは色素沈着・色素脱失・瘢痕の3つです。

国民生活センターの調査では、脱毛で危害を受けた人のうち、副作用の説明を受けていた人は26.3%にとどまりました。どこにも申し出ていなかった人も33.3%います。

方法に関係なく、次の2つは守ってください。

  1. 施術前に副作用の説明を受ける
  2. 何かあったら施術先に伝える

時間と回数の負担

1本ずつ処理するので、時間は本数に比例します。眉の形を整える程度なら1回あたりの本数は少なく済みますが、本数が多い部位ほど1回の施術が長くなり、費用も増えます。

回数は1回では終わりません。何回になるかは、次の3つで決まります。

回数を決める要素回数に効く理由
生えている毛だけ針を入れられるのは皮膚の外に出ている毛だけ。全部の毛が同時に成長しているわけではない(英国NHSの患者向け案内)ので、1回目に処理できなかった毛穴から、あとで毛が出てくる
本数1回に処理できる本数は、時間と痛みの上限で決まる。本数が多いほど回数に分かれる
目標の形「全部なくす」より「形を整える」のほうが本数は少ない。眉は後者が多い

何回で終わるかは、この3つの組み合わせで人ごとに変わるので、この記事では回数の数字を出しません。「1回で全部終わる」と説明する施設があれば、その根拠を聞いてください。

費用は、本数か時間で料金が決まり、別に針代や初回の血液検査代がかかる施設が多いです。クリニックが公開している料金表でよく見かける幅は次のとおりです。

1本あたり300〜550円前後が多い。数百円が中心
時間制(10分あたり)3,300〜11,000円部位による。1分あたり660〜800円前後の施設もある
針代4,000〜5,500円1回または初回
血液検査5,000〜5,500円初回。感染症の検査

※この幅は公的な基準ではなく、クリニックが公開している料金表でよく見かける範囲です(2026年10月時点)。契約先の料金表と見積もりが最優先です。

30本の場合の計算例

眉を整える程度なら数十本、ヒゲの一部なら百本単位になることもあります。例えば30本を1本500円で処理すると15,000円で、これに針代と初回の検査代が加わります。

本記事で扱う医療脱毛(レーザー脱毛)は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となり、料金や回数は医療機関ごとに異なります。なお、脱毛の効果・必要な回数・副作用の現れ方には個人差があります。

単価だけで比べず、次の3点を揃えて比べてください。

見積もりで揃える3点
  • 何本・何回を想定した見積もりか
  • 針代・検査代・麻酔代は含むか
  • 1回に何本処理するか

受ける前に確認すること(施設の選び方)

針を皮膚に入れて電気を流す施術なので、確認する項目はレーザーより多くなります。次の表は、契約前に聞いておきたい項目です。施設ごとに答えは違うので、答えそのものではなく「聞いた上で納得できるか」を判断の基準にしてください。

確認する項目聞き方の例
誰が施術するか医師か看護師か。研修を受けた担当者か
針の扱い患者ごとに使い捨てか。絶縁針か
施術前の検査血液検査(感染症の検査)をするか。費用は別か
電気を流す施術の注意ペースメーカーなど体内の金属・医療機器、金属アレルギー、妊娠中の扱いをどう確認しているか
痛みの対策麻酔の種類と追加料金
施術後当日の入浴・メイク・日焼けの注意。赤みや腫れが引かないときの連絡先
何かあったとき医師の診察を受けられるか。費用はどうなるか

ニードル脱毛は「永久脱毛」なの?

先に答え
  • 「永久脱毛」と呼ばれてきたのは、レーザーではなくこの電気脱毛
  • ただし処理できるのは、その時に生えていた毛だけ
  • 「効果がない」の多くは、この「永久」の受け取り方のずれ

「永久脱毛」という言葉が公式文書でどう扱われているかを並べると、次のとおりです。

ニードル(電気脱毛)レーザー脱毛
出典日本の5つの学会がまとめた美容医療診療指針脱毛レーザーの電子添文
書かれていること「レーザー脱毛が普及するまで、電気脱毛が永久脱毛として医療機関で実施されてきた」使用目的は「長期的な減毛を目的とした装置」。「期待される効果は永久的なものではないこと」を患者に説明するよう求めている
呼び方脱毛減毛。欧米でも hair removal ではなく hair reduction という表記が一般的と、同じ手引きが説明している

ただし、「永久脱毛と呼ばれてきた」と「一度やれば二度と生えない」は別の話です。壊した毛包からは毛が生えにくくなりますが、処理できるのはその時に生えていた毛だけです。

「永久」の中身は、処理した毛穴1つ1つについての話だと理解しておくと、施術後に「また生えてきた」と感じたときに慌てずに済みます。

「効果がない」と言われるのはなぜ?

「ニードル脱毛 効果ない」という検索が多いのは、この「永久」の受け取り方のずれが原因の大半だと編集部は考えます。「効果がない」と感じる場面は、整理すると3つです。

感じる場面実際に起きていること
施術のあと、また毛が生えてきた処理した毛穴からではなく、その時に生えていなかった別の毛穴から毛が出てきたことが多い。1回では全部の毛穴を処理できない
本数の多い部位で変化が分からない1回に処理できる本数には上限がある。面で減らすレーザーと違い、広い部位では1回ごとの変化が小さく見える
1本処理したのに同じ毛が生えてきた針が毛を作る部分まで届いていないか、電気が十分に流れていないと、その毛穴は壊れない。施術者の技量に左右される部分

つまり「効果がない」の多くは、方法が効かないのではなく、「1回で全部」「面で一気に」というレーザーのイメージをニードルに当てはめたことによる見え方の問題です。3つ目だけは施術の質の問題なので、同じ毛穴から何度も生えてくると感じるなら、施術先にそのまま伝えてください。

永久脱毛という言葉の定義や、レーザー脱毛で「永久」とどこまで言えるかは、「永久脱毛とは?本当に生えてこない?何年もつ・後悔しないための定義と違い」で詳しく扱っています。

レーザー脱毛とはどう使い分ける?

ニードル脱毛とレーザー脱毛は、毛と範囲で向き不向きが分かれる。眉・ほくろの上の毛・白髪・レーザー後に残った数本はニードル、全身・脚・腕・ヒゲ全体などの広い範囲はレーザー、両方が混ざるときは面をレーザーで減らして残った毛をニードルで仕上げる

図:ニードルとレーザーの向き不向き。使い分けの整理は編集部によるものです。出典は図中に記載(2026-10-28確認)。

どちらが優れているか、ではなく、毛と部位で向き不向きが分かれます。

ニードルが向くとき
  • 眉・ほくろの上の毛
  • 白髪や、レーザー後に残った数本
  • レーザーのあとに太く濃くなった毛(硬毛化)

全身・脚・腕・ヒゲ全体のように面で減らしたいなら、レーザーが向きます。両方が混ざる場合は、面をレーザーで減らし、残った毛をニードルで仕上げます。

判断の軸は「色」「範囲」「目との距離」の3つです。違いを詳しく見ると、次のとおりです。

判断の軸ニードル脱毛レーザー脱毛
毛の色色に関係なく処理できる。白髪・産毛・ほくろの上の毛も対象毛のメラニンを標的にするため、白髪・金髪には効果がほとんどない
範囲1本ずつ。本数が増えるほど時間と費用がかかる面で照射。広い範囲を短時間で処理できる
目との距離針を入れた毛穴の中だけに電気が流れる公式文書が眼窩縁(目のまわりの骨のふち)への照射を避けるよう定めている
形の調整残す毛・取る毛を1本単位で選べる隣り合う毛は分けられない
痛み1本ごとに針と電気の刺激冷却装置を併用し、比較的少ない痛みで行う方式が主流
※レーザーの行は、5学会の診療指針と脱毛レーザー GentleMax Pro の公式文書(電子添文)の記載をもとにしています。

硬毛化について補足します。脱毛レーザーの電子添文は、有害事象として「照射部位及び照射周囲部の多毛化や硬毛化」を挙げています。レーザーを当てた毛が逆に太くなる現象で、原因ははっきりしていません。

硬毛化した毛に同じレーザーを繰り返すか、1本ずつ別の方法で処理するかは判断が分かれるところで、色や太さに頼らないニードルはその選択肢の1つになる、と編集部は考えます。

迷いやすいのは、ヒゲの一部を残してデザインしたい場合と、白髪が混じり始めた場合です。どちらの方法にも対応している施設なら、カウンセリングで「この毛はどちらで処理するか」を1本の単位で相談できます。片方しか扱っていない施設では、その施設の方法に寄った説明になりやすいので、別の施設の意見も聞くと判断しやすくなります。

ニードル脱毛のよくある質問

ニードル脱毛は違法だと聞きましたが、本当ですか?

医療機関で医師や看護師が行うニードル脱毛は、違法ではありません。問題になるのは、医師免許のない人が行う場合です。

毛を作る組織(毛乳頭=毛の根元で毛を育てる部分や、皮脂腺の開口部)を壊す行為は、国民生活センターの資料で「医行為」(医師でなければ人体に危害を及ぼすおそれのある行為)とされ、医療機関でしか行えないと説明されています。

厚生労働省の通知(医政医発第105号・2001年)が名指ししているのはレーザーなどの光を当てて毛乳頭等を破壊する行為で、針による脱毛を名指しした文言はありません。ただ、針で毛を作る組織を壊す以上、エステで行うべき施術ではないと編集部は考えます。エステサロンの「電気脱毛」が何を壊しているかは、施設に直接確かめてください。

本記事で扱う医療脱毛(レーザー脱毛)は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となり、料金や回数は医療機関ごとに異なります。なお、脱毛の効果・必要な回数・副作用の現れ方には個人差があります。

1本いくらですか?

本数か時間で料金が決まり、別に針代や初回の血液検査代がかかる施設が多いです。よく見かける幅と、見積もりで揃える3点は「時間と回数の負担」にまとめました。

1回で終わりますか?

終わりません。理由と、回数を決める3つの要素は「時間と回数の負担」で説明しています。「1回で終わる」と説明されたら、その根拠を聞いてください。

眉毛の脱毛全体について知りたいのですが。

眉上・眉下・眉間のどこまでレーザーで対応できるか、危険と言われる理由、アートメイクとの関係は、「眉毛脱毛はよくない?危険・失明のリスクと医療脱毛の範囲を医師が解説」で扱っています。この記事はニードルという手技の中身に絞っています。

VIOにニードル脱毛はできますか?

対象部位に挙げている施設はありますが、本数が多い部位なので、時間と痛みの負担が大きくなります。VIOは面で減らすレーザーが一般的で、ニードルは白髪や残った数本の仕上げに使われることが多い方法です。

VIOを全部なくすかどうかで迷っている方は、「vio全剃りで後悔する理由!チクチク・黒ずみのセルフケアも解説」も参考にしてください。

本記事で扱う医療脱毛(レーザー脱毛)は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となり、料金や回数は医療機関ごとに異なります。なお、脱毛の効果・必要な回数・副作用の現れ方には個人差があります。

男性の眉にも使われますか?

使われます。眉間のつながりや眉上の産毛、濃い眉の毛量を少し減らすといった要望は男性にも多く、1本単位で調整できるニードルの向く部位です。取りすぎると戻せないので、迷う毛は残す進め方は男女共通です。

まとめ

ニードル脱毛(針脱毛)を検討するときに持ち帰ってほしい判断基準は、次の4つです。

  • 毛穴に針を入れて電気を流し、毛を作る組織を壊す。色に頼らないので、白髪・産毛・ほくろの上の毛や硬毛化した毛も対象になる
  • 眉に使われるのは、レーザーの公式文書が照射を避けるよう定める眼窩縁のすぐ上にあり、1本単位で形を残す必要があるから
  • 「永久脱毛」として医療機関で実施されてきたのはこの方法。ただし処理できるのは生えている毛だけで、「効果がない」の多くはこの受け取り方のずれ
  • 弱点は痛み・時間・費用。針の使い捨て・施術者・検査・何かあったときの対応を、契約前に確かめる

眉の形を整えたい方は、取りすぎると戻せないので、迷う毛は残す前提で少ない本数から始めてください。白髪や残った数本が気になっている方は、ニードルを扱う施設で「何本・何回を想定するか」を見積もりとセットで聞くと判断しやすくなります。

関連する記事は次の3本です。

本記事で扱う医療脱毛(レーザー脱毛)は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となり、料金や回数は医療機関ごとに異なります。なお、脱毛の効果・必要な回数・副作用の現れ方には個人差があります。

参考文献

出典発行元・版この記事で使った箇所確認日
美容医療診療指針(令和3年度改訂版)日本美容外科学会(JSAPS)・日本美容外科学会(JSAS)・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本皮膚科学会第5章 脱毛治療:電気脱毛の説明と「永久脱毛として医療機関で実施されてきた」/レーザーの標的はメラニンで白髪・金髪には効果がほとんどない/合併症/減毛(hair reduction)の表記2026-09-06
GentleMax Pro 電子添文 第7版独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)掲載・2025年9月作成使用目的「長期的な減毛」/使用上の注意(9)眼窩縁・(8)黒子/効果は永久的なものではないことの説明/有害事象(多毛化・硬毛化)2026-09-06
医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(医政医発第105号)厚生労働省医政局医事課長通知・平成13年11月8日(那覇市掲載の原文)医師でなければ行えない脱毛行為の範囲(第1)2026-10-26
なくならない脱毛施術による危害独立行政法人国民生活センター・2017年5月11日医行為の線引き/副作用の説明を受けた人26.3%/どこにも申し出ていない33.3%2026-09-06
Laser Hair Reduction(患者向け案内 LN001667)Leeds Teaching Hospitals NHS Trust・5th Ed. 2026年1月全部の毛が同時に成長期にあるわけではないこと2026-09-06

記事監修医師プロフィール

神林由香

医療法人社団Clara理事長
メンズクララ院長/医師

神林由香

日本皮膚科学会正会員。日本抗加齢学会正会員。メンズヘルス医学会会員。 美容外科専門医(JSAS)。
東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。
東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局、2016年大手美容外科都内分院スキンクリニック院長などを経て現職。