日焼け止め、ちゃんと塗ってますか?

スキンケアの方法

突然ですが、日焼け止め、ちゃんと塗っていますか?

この記事では美容皮膚科の観点から紫外線と日焼け止めについてまとめました。

紫外線とは

そもそも紫外線とはどういったものなのでしょうか。

紫外線の定義

光は波長の短いほうから順に、

  1. 紫外線UVB
  2. 紫外線UVA
  3. 可視光線
  4. 赤外線
  5. 電波

に分けられます。

普段目にすることのできる光が、紫から赤まで7色の虹に表現される可視光線。

波長が長いほど皮膚の奥深くにまで届きます。

紫外線は、地表に届くものではUVBとUVAに分けられます。

それぞれUVB(290~320nm)は表皮まで、UVA(320~400nm)は真皮まで届きます。

また、赤外線のうち可視光線に近い方の短い波長の「近赤外線」は、皮下組織にまで届き光老化の原因のひとつと言われています。

なぜ紫外線を浴びると肌が黒くなるのか

肌が黒くなるというのは、紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素をたくさん分泌して守っている状況です。

紫外線は人体に害を及ぼします。

肌が黒くなるのは、その影響を少しでも少なくしようという防御反応です。

紫外線の害はDNAの損傷

細胞はDNAが損傷されると、死に至ったり、突然変異を起こしたりします。

とくに皮膚で起こると、シミ、シワ、たるみなどの老化につながります。これが光老化です。

 

さらには皮膚ガンも引き起こします。

(皮膚の他に、目に起こる害も有名です)

 

もちろん健康な肌では、DNA損傷を修復する機能があります。

メラニン色素ををたくさん作る防御機能と合わせて紫外線からの防御機構の仕組みがあるので、すぐ皮膚ガンになったりはしません。

 

ですが、DNAダメージの蓄積が多いと年を取ってから発症する可能性が高くなります。

ちなみに、DNA損傷を修復する機能に障害のある疾患である色素性乾皮症では、平均的な日常生活を送っていても紫外線ダメージからの回復ができません。

そのため、光老化が起きやすくなります。

 

(挿入図)

 

小さい頃から紫外線にさらされ光老化した顔面とほとんどその害を受けていない太ももの内側などでは、皮膚の状態の差は顕著です。

特に高齢者ほど差が大きくなります。

つまり、紫外線から肌を防御することは、かなり肌の老化予防になるのです。

紫外線による急性障害と慢性障害

紫外線による肌のダメージは太陽を浴びてすぐ出てくるものから、10年以上経って出てくるものまであります。

急性障害は2つ。

日焼け直後に赤くなる急性炎症(サンバーンSun burn)と、その後に黒くなってくるメラニン合成誘導(サンターンSun turn)が挙げられます。

対して、慢性障害には光老化(シミ、シワ、たるみ)、発がん、などが挙げられます。

色黒になってもいいなら日焼け止めは必要ない?

日焼け止め、というと、肌の色が黒くならないように使うイメージが強いです。

肌が黒くなるだけであれば、時間が経てばそのうち元の肌色に戻ります。常に色白をキープしたいわけではない普通の男性にとっては、そんなに問題ないと思われがちです。

むしろ、日焼けサロンで焼いてカッコよくなりたい、などと思っている方も多いかもしれません。

しかし、紫外線の害は、肌を黒くすることではありません。

お伝えしたように、光老化など様々な害があるのです。

日焼け止め化粧品について

日焼け止め化粧品の効能は、以下のように表示されています。

  • 紫外線UVBからの防御力はSPF
  • 紫外線UVAからの防御力はPA

この違いについても確認しておきましょう。

SPFとPAの定義

SPF(Sun protection factor)とは「紫外線防止化粧品を塗布した部位のMED」と、「何も塗布していない部位のMED」の差を指す数値です。

MEDとは最小紅斑量のことで、2mg/cm2の日焼け止めを塗布した部分が24時間後にかすかに赤くなったところの最小の紫外線量。

ちょっと小難しい話かもしれませんね。

つまり、塗っていないところと塗ったところでどれだけ紫外線を吸収できる差があるかという話です。

 

ただし、ここで注意点。

実は、2mg/cm2 って、すごく多い!!

日焼け止めを普通の3倍くらい厚塗りするイメージです。

(なんでわざわざそんな特殊な塗り方で計測するのか……)

 

ちなみにPAはProtection grade of UVAのことで、

日焼け止め塗布したMPPD/無塗布部のMPPD

で求めます。

 

MPPDは日焼け止めを塗布した部位の最小持続即時黒化量(Minimal Persistent Pigment darkening Dose)のこと。

UVAを多量に照射された皮膚に2〜4時間後も持続している黒化を表す宇治です。

 

注意点は、いずれの計測方法も、普通の感覚よりもだいぶ厚塗りの状態で計測されていること……。

日焼け止めの強さはどのくらい必要?

なので、日焼け止めの強さは以下の数値を基準にしてください。

  • あまり紫外線を浴びない普段の生活:SPF25/PA++
  • 屋外にいる時間が長い場合:SPF40/PA+++
  • 真夏のレジャー:SPF50+/PA++++

 

これを4時間おきに塗り直し

しかも、普通に塗るよりも3倍厚塗り。

 

冷静に考えてできるでしょうか……。

この推奨量の日焼け止めをきちんと使用しながら真夏のイベントを楽しめている人を、ほとんど見たことはありません。

いちおう上記が理想の日焼け止めの使い方であるということを認識することが大切です。

 

もう誰だか分からないくらい、変な布をかぶって真夏なのに長袖長ズボン黒づくめ、さらに日傘にサングラス。

そんな格好でもしない限り、しっかりとした紫外線対策はできていないと思うほうが良いでしょう。

 

つまり、日焼け止めを使ってもどうしても多少は紫外線の害は受けてしまう。

そのため太陽をたくさん浴びたらそれを回復させるケアも必要ということです。

(紫外線から回復させる美容皮膚科メニューの記事リンク)

まして、日焼け止めも塗らず無防備だったら……考えるだけで恐ろしいです。

男性は紫外線には無頓着なケースがかなり多いので、要注意です。

紫外線でニキビも悪化しますからね!

 

日焼け止めの成分

大きく2つに分けられます。紫外線吸収剤と紫外線散乱剤です。

紫外線吸収剤

紫外線領域に吸収を持つ有機化合物。

桂皮酸、サリチル酸、安息香酸などのエステル誘導体や多環化合物。メトキシケイヒ酸オクチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルが主流。

皮膚に塗布した時に白く見えないのが良い点ですが、かぶれることがあるのが難点です。

紫外線散乱剤

酸化チタン、酸化亜鉛など。散乱するという性質上、どうしても白浮きしてしまいます。

無機粉末なので皮膚に入ることはなく、かぶれにくいのが良い点です。

紫外線散乱剤のほうが肌に優しい場合が多いですが、作り方の工夫で吸収剤でも敏感肌対応のものはあります。

吸収剤と散乱剤を混合したタイプもあります。

日焼け止めは洗顔料で落ちる?

耐水性の高い(ウォータープルーフ)強いものはクレンジング(いわゆるメイク落とし)が必要です。

軽い使い心地のものであれば普通の洗顔料で落とせるので、普段化粧をしない男性は、そのくらいのものが日常生活にはちょうど良いでしょう。

ちなみに、日焼け止め、クレンジング(メイク落とし)は肌には基本的に悪いものですが、紫外線の害よりはマシなので、必要悪です。

極論を言えばジメジメとした湿度の高い太陽の届かない地下室に閉じこもって、日焼け止めも塗らずヒゲも剃らず生活するのが肌にとっては最高の環境です……。(無理)

飲む日焼け止め

飲む日焼け止めというものもあります。

名前に日焼け止めとありますが、実際に紫外線をブロックする効果が全くないものも飲む日焼け止めと呼ばれているのが現状です。

なので、サプリメントとしての扱いと思ったほうがいいでしょう。

有効成分として、主に2種類あります。

フェーンブロックとニュートロックス・サンです。

フェーンブロック

シダ植物からの抽出物です。

活性酸素の除去作用と、紫外線吸収剤としての作用があります。

日焼けそのものを防ぐ作用+日焼け後の回復を助けるもの。

ただし、日焼けそのものを防ぐ作用の力は、通常の塗るタイプの日焼け止めよりもかなり弱いです。

ニュートロクス・サン

ローズマリーとシトラスの抽出物。

活性酸素を除去する作用がある、いわゆる抗酸化成分。

日に焼けてしまった後の回復を助けるものであって、日焼けを防ぐ効果はありません。

飲む日焼け止の効果は?

フェーンブロックは紫外線吸収剤としての作用もあるので、多少なりとも飲む日焼け止めと呼べます。

しかしニュートロックス・サンの作用は活性酸素の除去であり、いわゆる普通の抗酸化成分と大差ありません。

抗酸化成分とは、よくあるサプリメントの一種で、野菜やフルーツなどに含まれるポリフェノールや、ビタミンC,Eなどにもその作用があります。

抗酸化成分は天然の食物にたくさん含まれている場合が多いです。

活性酸素除去作用さえあれば「飲む日焼け止め」と名乗れる文化が出来上がってしまったためか、ニュートロックス・サンだけでなく雨後のたけのこのように飲む日焼け止めと呼ばれるサプリメントが続々と発売されています。

日焼け止めとしての効果は低いので注意

紫外線そのものをブロックする効果が多少はあるフェーンブロックでさえ、塗る日焼け止めよりははるかに効果が弱く紫外線による皮膚疾患を防止できません。

そのため、皮膚科医が警鐘を鳴らすケースも多いです。

まして、抗酸化作用(日焼け後のダメージ回復を補助するもの)のみの「飲む日焼け止め」が、塗る日焼け止めの代わりになることはありません

飲む日焼け止めは、もし日焼け止めの役割を期待するならば、フェーンブロックを選ぶことです。

それでも4時間おきに飲みなおす必要があります。塗る日焼け止めと同じですね。

そして、その効果はあくまで補助だと考えてください。

飲む日焼け止めは抗酸化サプリメントとして期待

逆にニュートロックス・サンなどの抗酸化作用しかないものは日焼け止めとは考えず、毎日飲む抗酸化サプリメントだと思えば問題ありません。

世の中に数多くある抗酸化サプリメントの1つです。

紫外線の害を回復するためにも抗酸化成分は重要なので、毎日サプリメントとして飲むことには意味があります。

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