肌について理解し、自分の力で化粧品を選べるようになる

肌について

なぜ適切な化粧品を自分で選べないのか

無数にある基礎化粧品、たくさんあり過ぎて、何がいいのやら。。。

ひとつひとつの商品を、これは必要、これは要らない、これは自分の肌に合ってる、などすべて自分の頭で判断できたら素晴らしいと思いませんか?

とてつもない量の化粧品があるので、そんなことできないと思うかも知れませんが、肌の基本を理解すれば、誰でも簡単にどの化粧品が良いか判断できるようになります。

皮膚について理解する

医学専門用語を覚える必要はありません。
皮膚というものの本質を理解できれば大丈夫です。

クルマの運転は、物理やら電気工学やらなんやらすべて理解して暗記しなくても、だいたいのことが分かればほとんどの人は問題なくできるのと一緒です。

クルマと違って、皮膚の基本知識をほとんどの人は知らないので、それでうまく化粧品を選べないだけです。

皮膚とはどういう臓器か

身体の内側・外側という概念

皮膚を知るには「身体の外側と内側」を理解する必要があります。

外側:外界の雑菌に触れても大丈夫なところ
内側:無菌状態のところ

皮膚の表面より外は、もちろん外側です。

消化管の中は「外側」

また、意外かも知れませんが、口の中から胃、小腸、大腸にかけてのいわゆる消化管のくだの中も、外側です。
食べ物には多くの菌が付いていて、それを口の中に入れて飲み込んでも大丈夫なようにできています。消化管の粘膜を通して栄養分が食物から身体の中に吸収されます。外側から内側へ、必要なものを入れているわけです。

それれ以外は、すべて身体の内側になります。

汗や尿は清潔(無菌)

よく汚いと勘違いされていますが、汗や尿は、排出された直後は無菌状態でとっても清潔です。汗や尿は、血液から余分なものを濾し取って身体の外に出していたものなので、もともとは血液。血液は無菌なので、そこからできた汗や尿は無菌です。

つまり、皮膚や口の中は菌だらけで不潔、汗や尿は無菌で清潔
誰かと手を繋いだりキスをするよりは、誰かの尿を飲んだ方がよっぽど清潔なんです、、理論的には。。

身体の内側に菌が入ると

では、無菌状態であるべきところに菌が侵入したらどうなるでしょう?

大変です。敗血症になったりと大変な病気になります。
それだけ、身体の内側に菌が入るということは大惨事なのです。

これを理解すると、皮膚がどんな臓器なのかが見えてきます。

皮膚は異物の侵入を防ぐ臓器

皮膚は、身体の内側に菌などの異物が侵入しないように守っている臓器です。

はい、ここで疑問!

異物が侵入しないように守っているのに、美容成分は侵入していいの?
そんなに簡単に侵入しちゃうの?

よく気付きました!素晴らしい!!

はい、ダメです。そんなに簡単に侵入しません。

そんなに簡単に侵入させてしまうような皮膚は、臓器として失格です。
実際、皮膚には強力なバリア機能があり、怪しい異物が体内に侵入するのを防いでくれています。

皮膚は化粧品の侵入も防ぐ

では、身体にとっては怪しい異物でしかない美容成分を侵入させるには、どうしたら良いでしょうか?

皮膚の持つバリア機能を突破できるようなパワーを持った化学物質を添加することで、美容成分がなるべく奥深くまで侵入できるように工夫すれば良いのです。

え、ちょっ、それって肌に悪いんじゃないの?

悪いことも多いです。高機能な美容液で肌がかぶれてしまった、、という例が多いのも納得です。

化粧品の役割

ここまでくればもう分かりますね、

スキンケア化粧品で何か特別な美容成分を肌の奥に入れ込もうという発想は、臓器としての皮膚の役割から考えて、かなり違和感がある

入れ込むのではなく、皮膚の役割を補助するような働きの方がしっくりくるはずです。

皮膚の基本的な構造と機能

では次に、皮膚はどうやって外界の異物から身体の内側を守っているのかみていきましょう。

皮膚の構造

皮膚の表面から奥に向かって順に、

角質層
表皮
真皮
皮下組織

という構造になっています。

 

身体の部位によって厚さは異なりますが、基本構造は一緒です。
外からの異物侵入を防ぐ臓器であり、その最前線は角質層です。

角質の役割

非常に薄い角質層ですが、そのバリア機能はかなり強く、ほとんどの物質を通しません。

コラーゲン(そのままだと分子量約30万)なんて、非常に大きな物質ですから、角層を通り抜けることはできません。
化粧品に配合されていても肌のコラーゲンが増えるわけではりません。

また、分子量が小さければ肌の奥まで通る、大きければ通らない、というのも間違いです。水の分子量は18。分子量500以下なら通ると言われていますが、どうでしょう??

もし水が皮膚から身体の内側に入ってしまったら、、、入浴したら死亡します。

水が入るのは、角層までです。お風呂に長い時間入ると手足の指がふやけてきます(浸軟)。このふやけた状態は皮膚にとっては危機で、角質のバリア機能がかなり低下し、菌にも弱く、物理的にも傷つきやすい状態です。

バリア機能

皮膚は、皮膚の中でも一番外側に位置する角質層までで、ほとんどの物質の侵入を阻止しており、そのバリア機能はかなり強力であることがお分かり頂けたかと思います。
(同時に、体内の水分など大事な物質が身体の外に出ていくのも防いでいます。)

皮膚が本来の力を発揮するには

理想的に健康な状態では、肌に化粧品は必要ありません。必要になるのは、健康な状態を維持できない時です。

具体的には、皮膚の役割として最も重要と言える角質のバリア機能が障害された(されそうな)時です。つまり、角層がうまく機能していない状態。

化粧品を使う主目的は、角層を健やかに保つことです。角層が健やかであるとは、角層が本来の機能であるバリア機能を十分に発揮しているということです。

角層がバリア機能を十分に発揮するには、以下の2つの要素が重要です。
・ターンオーバー
・潤い

ターンオーバーとは

新陳代謝

皮膚は、常に新しい細胞ができて、古い細胞を垢として排出しています。
皮膚だけでなく、筋肉も骨も、破壊と再生が繰り返されてそのバランスで人体は成り立っています。常に同じ細胞ではないのです。これを新陳代謝と言います。

表皮の一番下の基底層から少しずつ表皮細胞ができ、上(外側)に上がっていき、角質細胞となり、垢として剥がれ落ちます。このように、表皮と角質層を構成する細胞がすっかり入れ替わることをターンオーバーと言います。

老化でターンオーバーが長くなる

理想的な周期は約1ヶ月(28日)です。これが長すぎても短すぎてもバリア機能は低下します。年齢とともに新陳代謝は悪くなり、ターンオーバーもどんどん長くなります。

角質の潤いとは

皮膚が自分の力で分泌している潤い成分とは、
・角質細胞間脂質
・皮脂
・天然保湿因子NMF (natural moisturizing factor)

角質細胞の隙間を埋め、身体の外からの異物侵入だけでなく、
内側からの水分の蒸散も防いでいます。

角層細胞間脂質

セラミド、コレステロール、脂肪酸などで構成される脂質で、
主にセラミドが潤いにとって重要です。

皮脂

皮脂腺から分泌され、表面に油膜を張ることで水分の蒸散を防ぎます。

天然保湿因子NMF natural moisturizing factor

遊離アミノ酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、無機イオンなどのことで、保湿に関与します。

肌が乾燥する理由

・負のスパイラル
皮膚は乾燥することにより、角質の健康が損なわれ潤いを保つ力も低下し、それを放置するとますます乾燥するという負のスパイラルに入ります。

・乾燥した空気(冷暖房など)

・老化
ターンオーバーが長くなり、古くて機能の低下した角質細胞がたまる

・ヒゲ剃りによる角層の破壊

・紫外線
紫外線は皮膚の奥の真皮まで届き、細胞を傷つけます。紫外線を浴びると、皮膚はその刺激から皮膚の奥を守ろうと、角質層を厚くしてブロックしようとします。角質層が厚くなるということは、古くて機能の低下した角質細胞がたまってしまっている状態。保湿機能も低下しています。

日常生活で避けられないこれらの要素は、角層のターンオーバーを乱し、潤い力を低下させ、バリア機能を低下させます。

化粧品の役割

まとめ

・皮膚の役割は、外界からの異物侵入を防ぐこと。
・その最前線が角質によるバリア機能
・バリア機能を発揮する要素がターンオーバーと潤い

化粧品も異物であり身体の中には入れませんが、大切な潤いを保つのに重要な役目を果たします。

化粧品の基本的な機能は保湿という認識を持つことが大切です。

ターンオーバーを整えるには

角質を過剰な洗顔で取りすぎたり、乾燥が進んで肌荒れを起こしたりすると、ターンオーバーは短くなります。間違ったお手入れをやめて、肌荒れを治療することで改善します。

逆に、老化でターンオーバーが長くなってしまっている場合など、角質が厚い状況ではピーリングが効果的です。

市販のピーリング剤もありますが、ピーリング剤は扱いが難しく、間違ったお手入れ方法で使うと逆に肌状態を悪化させてしまうことも多いので、美容皮膚科で診てもらって施術を受ける方が無難です。

 

 

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