幹細胞培養上清液やエクソソームで死亡事故？危険性や安全に受けるポイントを解説

エクソソーム点滴での死亡事故はありませんが、2023年10月11日に幹細胞培養上清液治療での死亡事故が報告されています。しかし、幹細胞培養上清液の成分中にエクソソームも含まれているため、幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与が注意喚起されている状況です。

当学会では、幹細胞培養上清液を使用した治療に関し、患者が死亡するという事象が発生したという情報に接しております。幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与につきましては、医療水準として未確立の療法であり、その有効性・安全性について、エビデンスに基づく十分な検討をお願いいたします。

引用：再生医療抗加齢学会「幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について」

この記事では幹細胞培養上清液治療の死亡事故詳細やエクソソームを安全に受けるポイントを解説しています。エクソソーム点滴が気になっている方や美容医療として使用する肌への安全性が心配な方も参考にしてください。

エクソソーム点滴ではなく幹細胞培養上清液で死亡事故が発生

今回の報告例は死因が不明であるため、エクソソーム自体が直接関与しているか明確ではありません。また、管理状態や治療内容に問題があった可能性も考えられます。実際、厚生労働省が公開している資料では、管理に問題がある場合に重篤な事故を引き起こす可能性を示しています。

交差汚染管理が不十分な場合などに敗血症等重篤な事故を引き起こす可能性がある。

引用：「エクソソーム等に対する日本再生医療学会からの提言」

決してエクソソーム自体は悪いものではなく、むしろ再生医療やがん治療などに活用できる可能性も期待されています。ただ、現段階では効果が未実証なことも多く、不純物の混入や品質管理、製造元などの問題もあるため注意が必要です。

当学会では、NMN点滴療法、幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与について、その有効性・安全性について、推奨するに足りるエビデンスが確認できていないことから、現時点では、これを推奨いたしません。

引用：再生医療抗加齢学会

芸能人がやっていたり、ビフォーアフターや口コミで効果があると書かれていても、特に点滴は慎重に検討しましょう。

安全にエクソソーム治療を受けるポイント5つ

エクソソーム治療の安全性は確立されておらず、現在のところリスクが存在します。それでも治療を受ける場合、次のような点に注意する必要があります。

信頼できる医療機関を選ぶ

製剤の質や管理方法が治療結果や安全性に大きく影響するため、不適切に製造された製剤や経験の浅い医師が行う治療では、感染症や副作用のリスクが高まる可能性があります。十分な説明とリスク確認を行い、適切なアフターケアを受けられるクリニックを選びましょう。

使用するエクソソーム製剤を確認

エクソソーム製剤の由来（どの細胞から抽出されたか）や管理方法が明確か確認してください。不適切に製造・管理された製剤は感染症や副作用のリスクを高めます。十分な説明をしてもらい納得できるまで質問した時にしっかり答えてくれないクリニックは避けましょう。

また、製剤によっては危険性だけではなく効果の差がでます。実際、東京医科大学のグループが自由診療のクリニックで使われているエクソソームを調査すると、12品目中3品目でエクソソームが含まれていなかったという報告がありました。安すぎる価格には理由があるかもしれません。

美容目的なら点滴ではなく水光注射にする

水光注射や手打ちでは肌の浅い部分に注入するため、注入した肌のみに効果が限定されます。しかし、点滴は血管に注入して体全体に作用するため様々な影響をもたらします。美容目的なら点滴で静脈投与せず、水光注射のような肌に直接注入する施術を選びましょう。

肌への施術は、水光注射以外にもダーマペンやポテンツァなど様々な注入方法があります。

副作用とリスクを把握

必ず副作用やリスクを施術前に説明してくれるクリニックを選びましょう。一般的にエクソソーム点滴で考えられる副作用は以下の通りです。

• アレルギー反応（発疹、かゆみ）
• 発熱や倦怠感
• 注射部位の腫れや痛み
• 免疫過剰反応
• 製造や管理の不備による感染症
• まれに頭痛やめまい

保障や返金などの契約内容を確認

事前にクリニックとの契約内容を十分に確認しましょう。特に、副作用が発生した場合の対応、返金やキャンセルポリシーについて明記されているかを確認しましょう。また、安全性が確立されていない治療であることを理解した上で、リスクや期待できる効果について医師としっかり話し合うことが必要です。

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エクソソームとは？仕組みや効果も解説

エクソソームは、細胞から分泌される直径30〜150ナノメートル程度の小さな膜小胞です。細胞間の情報伝達を担い、タンパク質、脂質、RNAなどの分子を他の細胞に運ぶ役割を果たしています。

エクソソームは体内の自身の細胞を活性化させることで、肌の再生や修復を促進します。主に、肌の若返り、シワやたるみの改善、傷や炎症の修復などに効果が期待されます。

エクソソームの仕組み

エクソソームの情報伝達の仕組みを解説します。

1. エクソソームの生成と分泌
   • 細胞内でエクソソームが生成され、細胞外に分泌されます。エクソソームにはタンパク質、RNA、DNAなどの「情報」が含まれており、これが他の細胞に向けて送られるメッセージとなります
2. エクソソームの移動
   • エクソソームは体液（血液やリンパ液など）を介して、標的となる細胞まで移動します。標的細胞は、エクソソームが持つ特定の分子（リガンド）を認識する「受容体」を表面に持っていることが多いです
3. エクソソームの受取り・細胞内での影響
   • エクソソームは標的細胞に到達すると、表面にある受容体に結合して細胞内に取り込まれます。取り込まれたエクソソームのRNAやタンパク質は、細胞内で遺伝子の働きを調整し、細胞の機能を変化させます。これにより、細胞の成長や修復、免疫反応などが調整されます
4. 結果
   • エクソソームを受け取った細胞は、そのメッセージに基づいて活動を変化させます。例えば、組織修復を促進したり、免疫反応を制御したりします

エクソソームは体内の細胞間コミュニケーションに重要な役割を果たし、体のさまざまな生理機能を調整する働きがあるため、再生医療やがん治療、美容分野などで注目されています。

エクソソームの効果

エクソソーム療法は、加齢や初期老化によるさまざまな悩みに効果的です。

• 美容・エイジングケア(加齢に伴う肌の老化、ハリ・しわ・しみ)
• 健康維持(免疫力低下、 慢性疲労、腹痛、肩こり、不眠症、更年期障害)
• 脱毛・薄毛
• 血管・リンパ管新生
• 免疫調整
• 細胞修復
• 抗酸化作用
• 抗炎症作用(治癒促進疼痛軽減効果)
• 治癒促進

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エクソソームのメリット・デメリット

エクソソームのメリットとデメリットをまとめました。

メリット	デメリット
・細胞の再生や修復を促進する ・総合的なアンチエイジングができる ・抗炎症作用がある ・痛みやダウンタイムが少ない	・安全性が十分に確立されていない ・アレルギーや免疫過剰反応のリスク ・管理体制による感染症リスク ・比較的高額な施術費用がかかる

リスクをできる限り抑えるためには、信頼性の高いクリニックを選び、使用するエクソソーム製剤の出所や品質管理体制を確認するのが重要です。また、施術前に医師と十分に相談し、安全性やリスクを理解した上での判断が解決の鍵となります。

エクソソーム点滴について知っておきたいこと

エクソソーム点滴の疑問に回答します。

エクソソーム点滴の危険性やリスクは何ですか？

エクソソーム点滴は、まだ医療水準として未確立な治療ですので、予想外の反応が起こる危険性があります。また、製造や管理が不適切な場合、感染症リスクや不純物混入の可能性もあるため、信頼できる医療機関での施術が重要です。

当学会では、NMN点滴療法、幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与について、その有効性・安全性について、推奨するに足りるエビデンスが確認できていないことから、現時点では、これを推奨いたしません。

引用：再生医療抗加齢学会

エクソソーム点滴で死亡事故があったクリニックはどこですか？

エクソソーム点滴での死亡事故は報告がありません。幹細胞培養上清液での事故はありますが、クリニック名は公表されていないので不明です。

エクソソーム点滴はどこに打ちますか？

エクソソーム点滴は主に腕の静脈に注射針を刺して投与されます。点滴療法と同様の手法で、体内にゆっくりとエクソソームを取り込む仕組みです。基本的には静脈点滴が一般的で、施術部位や方法は医師と相談の上で決定されます。

エクソソーム点滴は何回くらい受けると効果的ですか？

エクソソーム点滴の効果的な回数は、目的や個人差によりますが、一般的には3～5回程度の施術が推奨されることが多いです。施術間隔は2～4週間おきで、効果を維持するためには定期的なメンテナンスが必要とされます。

エクソソーム点滴の料金相場はいくらですか？

エクソソーム点滴の費用相場は、クリニックや地域によって異なりますが、一般的には以下のような価格帯です。

施術内容	費用相場
1回の点滴	約30,000円〜150,000円
3回セット	約80,000円〜400,000円