Vol.1 顔のシワが「色気」になる男と「老化」になる男の違いとは?

女医のカルテ〜モテる男って何が違うの?〜

女性は男性を、2種類に分けて見ています。

その間には、大きな壁があります。

 

収入、キャリア、外見……

分かりやすいスペックを鍛え上げても、それは簡単には超えられない壁です。

 

そう、

モテる男と、モテない男……

その差は、何なのでしょうか?

 

「雰囲気」という安易な言葉では片付けず、美容を専門とする女医目線で男性の魅力を分析していくシリーズ。

 

今回は深く刻まれた表情ジワを老け顔の原因ではなく色気に昇華させた男性のお話です。

(登場人物は仮名です)

 

 

「先生、僕が老けて見えるのは、どうしてでしょうか……」

しっかりとしたスーツに身を包んだ、上品な雰囲気の中年男性が、遠慮がちに質問してきました。もとの顔立ちは悪くないのですが、シワが深いせいかやや疲れて見えます。

(46歳くらいかな?)

さっと机の上のカルテに目を走らせ、実年齢を確認すると、

(え、41歳……?)

この仕事をしていると、見た目年齢と実年齢に差がある人は意外に多いことに気がつきます。

若く見える人と老けて見える人には、それぞれ、それなりの理由があるものです。

 

「高橋さん、肌質そのものは決して実年齢より老けているということはありません。老けて見えるとしたら、表情ジワが原因ではないでしょうか?」

 

40代にもなれば多少のシワは刻まれて当然です。シワにも、男の色気を感じさせる心地良いものと、隠しきれない衰えとして悪目立ちしてしまうものがあります。

笑いジワ、怒りジワ、悩みジワ。

シワの刻まれ方を見れば、これまでの人生でどんな表情をする時間が多かったのかひと目で分かってしまいます。

 

根っから明るい男性の顔には、心地良い笑いジワが刻まれています。

歳を重ねても不思議と澄んだ目をしている彼らが、

「俺のシワっていいだろ〜?」

なんて言ってる姿は少年っぽく、私を明るい気分にさせてくれます。

 

高橋さんは、険しい表情をした時にできる眉間のシワと、口角が下がってへの字になった口元のシワが目立っていました。神経質な方なのかもしれません。

「お仕事でストレスを感じることとか、多かったりします……?」

「そうなんです、最近、ちょっと色々あって……」

 

彼が何を悩んでいるのかは分かりませんが、険しい表情をする時間が長かったのでしょう。

いつも似たような表情をしていると、それがクセになってしまい、ますます深くシワが刻まれてしまいます。

 

表情筋の動きと、脳内の感情はリンクしています。

クセで無意識のうちに作ってしまう表情によって、脳内がマイナス思考になってしまうことだってあります。

ボトックスという薬剤を筋肉に注射すると、その筋肉の動きを麻痺させることができます。

表情筋にうまく打つと顔の印象をガラリと変えられるのです。

打ち方によって良くも悪くもなりますので、慎重に調整しなければなりません。

 

「高橋さん、大人の男性の笑いジワは素敵ですから、それはそのまま残しましょう。

険しい表情をした時にできるようなシワ……怒ったように見えてしまう眉間のシワを改善させて、口角がキュッと上がるように調整してみませんか?」

施術についての細かい説明を終え、処置にうつりました。

「ちょっとだけチクっとしますよ……」

「うっ……あ、思ったよりも一瞬で終わるんですね……」

すっきりとした綺麗な形のくちびるに、私は目を奪われました。

端っこが下がってしまっているのが残念です。

への字になるクセを直して、微笑んだ時にスッと上がるようにすれば、けっこうセクシーになりそうです。

「意外と簡単でしょう?仕上がりが楽しみですね!」

 

ボトックスの効果が出てくるのには3、4日かかります。

慣れてくれば打ちっぱなしでもいいのですが、最初のうちは効果判定のために1週間後に再来院していただくことが多いです。

 

1週間後……

なんと、キャンセルの連絡です。

どう仕上がったのか、私はこの目で見たくてたまらないのですが、仕方ありません。

知らせがないのは良い知らせとは良く言ったもので、施術後に何か問題があれば予定よりも早くご来院されたり何かしら連絡が来たりするものです。

だから多分、大丈夫だったのでしょう。

 

 

高橋さんは、忘れた頃に戻ってきました。

「予約キャンセルしちゃってすみません!あれから溜まってた仕事を必死に片付けていたら、いつの間にか2ヶ月も経っちゃって」

そう言いながら微笑んだ時、口角がスッと上がるのが目に入りました。

やっぱり彼のくちびるはとても綺麗です。

 

「眉間のシワがだいぶ良くなったのを実感しています。

力も入りにくくなったせいか、そういう表情をすることも少なくなった気がします。」

表情筋と脳内信号はやっぱり連動しているようです。

彼が話している時の表情筋の動きを、それとなく観察します。

眉間のシワが浅くなっているのを確認できました。

 

「口もとは実は自分ではよく分からないのですが、部下に表情が明るくなったと言われたので多分良かったのかな……笑」

無理もありません。

微笑んだ自分の顔をじっくり鏡で見て研究する男性なんてまずいませんから。

 

悪目立ちしていたシワを少し浅くしても、神経質そうな空気感はまだ残っています。

その感じと微笑んだ時にできる目元のシワが醸し出す優しさとのバランスが、陰のある大人の男の色気を演出しています。

医学の力技でもっともっとシワを浅くすることもできたのですが、そんな感じにしたくて私は秘かに調整していました。

 

控え目な仕上がりでしたから「もっとシワを浅くしてください!」と要求されるんじゃないかと少しヒヤヒヤしていましたが高橋さんはそのくらいで満足されたようで、

「また何か気になったら来ます」

と言い残して帰っていきました。

ボトックスの効果が切れる数ヶ月後に、また会えることもあるでしょうか。

 

Vol.2 脱ダサい男!新人美容外科医が垢抜けるために受ける「洗礼」は、美容整形ではなく……?」へ続きます。

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