「男性が外見を気にするなんて……」
と言われていた時代もとうに過ぎ去り、世は空前のイケメンブーム。
「人は見た目が9割」
「美貌格差社会は男性にも当てはまるなんて常識」
と考えられ始めた今日この頃。
美容クリニックでも、昔は珍しかった男性患者様の数は現在ではどんどん増えています。
男性も外見に気を遣う時代
現状、美容クリニックではホームページの説明文から施術の内容まで女性向けに設定されたものを、そのまま男性にも受けていただいている場合がほとんどです。
美容クリニックに限らず美容関連のものは全般的に女性向けにできているので、それをそのまま男性も使うという構図が出来上がってしまっています。
しかし、男性は女性とは違うので、女性と同じでは成果が上がらないことがよくあります。
男性の肌が女性と違う3つの理由
人間の皮膚の基本的な構造・機能は、性別でそこまで変わるものではありません。
しかし、主に以下の3つの要素により、肌状態は男女で異なります。
1.性ホルモンの作用
男性ホルモンは皮脂分泌を促進する作用があります。
それに対し女性ホルモン(エストロゲン)は、
- 皮脂分泌を抑制
- 皮膚の老化を抑制
- 創傷治癒を促進
- 紫外線や酸化ストレスによるダメージを軽減
といった効果があります。
そのため、皮脂分泌が盛んだと毛穴が開き肌のキメが荒くなりがちです。
でも、基本的には女性の方が色が白く、キメが細かく、滑らかな肌になりやすいことが分かっています。
2.ヒゲか生えるか、化粧をするか
ヒゲ剃りという行為は肌を非常に痛めます。
ほかにも、
- 皮膚の一番表面の部分である角質層を損傷させる
- 水分保持機能やバリア機能を低下させ、肌荒れの原因に
- 埋没毛から毛嚢炎になることもある
と言われています。
このように、ヒゲ剃りは男性の肌トラブルの大きな原因となっています。
一方、女性の肌を痛める行為といえば、化粧です。
化粧は、異物で肌を覆うという観点から紫外線防御になる以外にはメリットがなく、肌にとってはゴミです。
さらに、その化粧を塗ったり落としたりという行為がさらにお肌を痛めます。
男女ともにお肌に悪い生活習慣を持っているのですが、ダメージの種類が違います。
したがって、起こりやすいトラブル、やるべきスキンケアにも男女差が出てきます。
3.普段のケア方法の違い
皮膚は、身体の中に外部から異物が侵入するのを守っている臓器です。
なので、美容液などで栄養分を入れようとしたところで、なかなか浸透するものではありません。
そこの認識を誤って、やたらと肌に何かを塗りたくる傾向があるのが女性です。
女性は過剰なスキンケアでお肌を痛めがちです。
一方、男性は気にしない傾向なので、お手入れ不足の場合が多いです。
生まれつきの肌質にもよりますが、乾燥肌もしくはオイリー肌を放置してしまっていることが多いです。
少しのスキンケアで改善するので、多少はケアするとお肌状態はだいぶ良くなるはずです。
あらゆるスキンケアの中でも、男性は特に紫外線防御が全然できていないことが多いです。
紫外線は肌老化の大きな原因です。
日焼けすると黒くなってシミができる、というだけの認識は甘く、実は、シワやたるみなどあらゆる肌老化につながります。
女性は熱心に紫外線防御する場合が多く、実はお化粧も紫外線防御には役立っています。
そのため、太陽の下でのアクティビティが趣味でもない限りはしっかり防御できている方が多いです。
その点、男性は無防備です。
重い腰を上げて日焼け止めを塗るのも、真夏の太陽を浴びる時くらい。
お化粧もしていないので、紫外線からお肌を守るものが何もなく、ダメージが蓄積されやすいです。
男女で取るべきスキンケア戦略は異なる
以上のように、
男性と女性では、生まれつきの肌質(先天性の要素)もお肌を取り巻く生活環境(後天性の要素)も異なります。
そのため、取るべきスキンケア戦略は異なるのです。
ですが現状では、スキンケアの情報は女性向けをベースに作られています。
さらにその一部のみを鵜呑みにして間違ったスキンケアをしてしまい、かえって肌状態を悪化させてしまっている男性も多く、改善が望まれます。
(そもそも女性向けの情報も怪しいものが多いです)
コメント